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修学旅行でスパンキング1

 平成生まれの私たちからすると体罰なんてあまり縁のあることではなかった。運動部の内部ではまあ色々あったかもしれないが、そういうのに属していなければ、ビンタを目撃することすら珍しい時代なのだ。
 高校は女子校だったこともあってか一度もなかったし、中学時代は、バスケ部の男子が顧問の先生に体育館の通路脇でビンタされたのを偶然見てしまったのが唯一の目撃談である。
 けれども、小学生時代は私自身が一度だけとはいえ体罰を受けたことがあった。しかもビンタではなくお尻叩きだったので、なかなか忘れることができない屈辱的な体験として私の脳裏に刻まれている。

 事の始まりは、修学旅行の自由行動で門限に遅れたことだった。ホテルに戻るはずだった時間を3時間もオーバーしていて、それまでに連絡もしなかったものだから、担任教師の怒り具合は凄まじかった。中年の女教師で、元々怒りっぽい性格をしていた彼女だが、我を忘れて怒鳴り散らしたのはさすがにアレが最初で最後だったように思う。
 男子3人女子3人の班だった私たちは、ホテルのロビーで怒声を浴びせられながら何度もビンタされた。私たち女子3人は、初めて感じる頬の痛みに半泣き状態だった。男子も体罰経験があるのはひとりだけで、後から聞いたところによると、残りのふたりは普通にショックで泣きそうになっていたらしい。
 その後、私たちは男女別でそれぞれの部屋に戻された。しかしそこで終わりではなく、本当の罰はそこで待っていた。

 部屋でお互いを慰め合っている私たちの元へ、別の班のクラスメイトが凶報を知らせてきた。男子3人が部屋の前の廊下でジャージも下着も脱がされ下半身丸出しでお尻叩きを受けていたと言うのだ。
 私たちは青ざめた。まさか女子まで同じ目に遭わせたりしないだろうと別の班のクラスメイトは楽観的な見方を他人事のように示してくれたが、まるで安心できなかった。
 しばらく先生が部屋に来ることはなく、やがて食堂に行く時間になった。そこでも担任の姿はなかったので、食事を終えてまた部屋に戻る頃には、もう女子に罰が下されることはないんじゃないかと希望を抱くようにもなった。
 ところが担任は夜8時頃に突然部屋にやってきた。単純に雑務で手が離せなかっただけのようだった。

 扉が開かれると同時に大声が放たれて、私たち3人は思わず体を跳ね上がらせた。漫画のようなリアクションに自分のことながら信じられなかった。いきなりのことに驚いただけでなく、担任の来襲を心の中でずっと恐れていたがために、大袈裟な反応へと繋がったのだろうと思う。
 女教師は私たち3人を怒声で部屋の隅に追い立て、壁に手を着かせた。
 お尻を差し出す姿勢を取らされて私は震え上がったが、一方で安堵もしていた。男子のように廊下で見せしめにされることはやはりなさそうだということが分かったからだ。
 もっとも、純粋な痛みに対する恐怖心は拭いようがなかったけれど。

 先生は、3人の中で左端に居た私の後ろに立つと、ジャージのズボンを掴み、パンツと一緒に膝まで一気に下ろしてしまった。
 私は股間に冷たい空気を感じて、首を下に伸ばして自分の生え始めたばかりの陰毛を見ることで、ようやく事態を悟った。その場にしゃがみ込みたい衝動もあったが、しかしそれよりも、あまりのことに呆然となってしまい、無様にお尻を出したまま固まってしまった。
 まあ結局はそれで良かったというか、そうしなければ余計に罰を受けるだけだっただろう。
 実際、私の右隣の女子は、先生の手から逃れようと腰をくねらせたせいで、ジャージの上からスリッパでお尻を叩かれて叱責されていた。

 3人のお尻が丸出しになると、先生は私の後ろに戻ってきた。
 いよいよ叩かれるという段階になっても、私は痛みの恐怖より羞恥心の方を強く感じていた。
 友達ふたりは右隣にいるから、お尻を見られるのは先生にだけなんだけれど、だからといって開き直れるものではない。というか、羞恥心ではなく屈辱感と言った方が良いかもしれない。
 壁に手を着き無防備にお尻を晒している屈辱的な体勢は、まるで家畜のような扱いで、親にもぶたれたことのない女子に耐えられることではなかった。まだ叩かれてもいないのに涙目になってしまう。
 まあ、だからこそ、怒り心頭の先生はそれを強制したのだろう。

 とはいえ、恥ずかしいなんていう余裕のあることを考えていられたのは、お尻叩きが始まるまでだった。
 スリッパがお尻に叩き付けられると、鋭く乾いた音が部屋に反響した。映画でよく聞く鉄砲の音に似ていた。
 そして激痛が私のお尻で弾けた。尻肌が熱く燃え上がっているような錯覚に襲われ、私は混乱に陥った。どうやればスリッパでそんな風に衝撃を加えられるのか、今に至っても不思議で仕方がない。熟練の技とでも言うのだろうか。
 最初の一瞬でも耐え難かった激痛は、その後の1秒間でさらに膨れ上がった。
 限界を超えた私は悲鳴を上げようと大きく息を吸った。しかし声を出せなかった。予想以上の苦痛に体が驚き喉が硬直してしまったのだ。
 私は壁に手を着いたまま、気付いたら爪先立ちで腰を前へ突き出していた。その状態で、肺に溜め込んだ空気を少しずつ吐き出していった。喉が震えていたせいで息は途切れ途切れだった。
 激痛はすぐに引いていったけれど、代わりにお尻全体が熱を帯びていった。本当に熱くなっているのは多分叩かれた部分だけだと思うが、私には尻肌全面が火照っているように思えてならなかった。

 それで終わりではなかった。
 冷静に考えれば、怒りで頭がいっぱいになっている先生がたったの一発で終わらせるはずもないことは分かりそうなものだが、痛みに頭の中を支配されていた私には二発目なんて全くの予想外だった。
 しかも一発目とは違い、三発目四発目と間を置かず続いた。壁に手を着いてはいるものの、腰は前へ押し出している状態のままだったが、先生は構わずスリッパを叩き付けてきた。
 私は絶叫した。
 息が詰まるとか喉が震えるとか、そんなのは関係なかった。本能に突き動かされて気付いたら叫んでいた。女の子らしい悲鳴なんかでは全然なく、ただ息が続く限り奇声を発しているような感じ。肺の酸素を吐き切ったら、大きく息を吸って、また絶叫。
 それでもスリッパは止まらない。数えていなかったので何発だったのかは分からないが、10発以上は確実だろう。
 口の端で唾液が泡立ち、ついには顎に垂れ落ちていったが、激痛のせいで全く気にならなかった。

スパルタ塾で受けたお尻叩きの思い出1

 小学六年生の夏。僕は、厳しいことで有名なスパルタ学習塾の合宿に参加した。私立の中学に通うためだ。
 クラスの中で中学受験をするのは、僕と、あと立花さんという女子だけだった。
 勉強ができるだけの根暗男子の僕とは違い、立花さんは明るくて運動もできて、クラスでは学級委員を務めていた。
 全くタイプの違う僕たちは、お互いが同じ私立を受験すると知っていながら、ほとんど接点を持たなかった。
 スパルタ学習塾の合宿で鉢合わせした時も「あ、来てたんだ」と立花さんに言われ、僕が「うん」と返すと、それ以降に会話をすることはなかった。
 他の塾生の話から、どうやら立花さんは元からこの塾に通っていたらしいことが分かった。そんなことすら知らないほど僕たちは疎遠だった。
 塾は山奥の合宿所で行われた。中学校や高校の林間学校として主に使われているらしい。
 バス停まで山道を歩いて30分以上は掛かる場所なので、なかなか逃げ帰ることもできない。夜にこっそり抜け出そうとしても、小学生の足では辿り着けるかどうか分からない。だからこそここが選ばれたのだろうと思う。
 合宿所に着くとさっそく授業が開始されたわけだけど、座る姿勢をいきなり大声で注意されて僕は震え上がった。大人がブチ切れているとそれだけで僕たち子供は恐ろしくてたまらなくなる。着いてから10分ほどで、とんでもないところに来てしまった、と思った。
 授業では次々に生徒が指名され、問題の答えを求められた。非常に高度な問題ばかりだったので、間違える生徒が続出し、そのたびに講師は鞭を使った。鞭と言うと大袈裟に聞こえるかもしれない。実際は前腕くらいの長さしかなくて、合唱の指揮棒みたいなものだった。本当にそうだったのかもしれないが、かなり酷使しても全く折れる様子がなかったので、やっぱりたぶん懲罰専用のアイテムなんじゃないだろうか。とにかくそれで不正解の生徒はお尻を叩かれた。
 細くしなる短い棒でしかないんのだけど、振ればビュッと音が鳴るし、見た目よりも遥かに強烈な痛みを与えてくる。僕たち合宿生には恐怖の象徴だった。
 立花さんはほぼ正解していたが、100パーセントというわけにはいかなかった。というより、そんな生徒はひとりたりとも存在しなかった。
 講師の質問に答えられなかった立花さんは、引きつった顔をしながらも、指示された通り教室の前へ行き、ホワイトボードに手を着いてお尻を後ろに突き出した。僕たち生徒の座っている方向へ、ということになる。まあ女子が罰を受けるのはその時点で何度も見ていたけれど、ハッキリ言って可愛い女子は居なかった。参加者30人全員の中でも、美少女と言えるのは立花さんくらいのものだった。
 これは男子みんなの共通認識だったと思う。だから立花さんが初めて不正解になった時、男子はちょっとエッチな気分になっていたのではないだろうか。少なくとも僕はそうだ。
 講師は若い男だったけれど、表面上は美少女の立花さんを全く意識していないように振る舞い、無造作に鞭を振った。
 スカートに包まれたお尻が打ち据えられると、散々聞き慣れた鋭い音が鳴った。立花さんは、他の生徒と同じく無言で耐えた。
 最初の授業で立花さんがお尻を叩かれたのはその1回だけだった。
 僕は2回。これでもかなり優秀な方だ。
 しかし最初の授業がまだまだ甘いものだったことを僕は思い知ることになる。

短編・人質羞恥露出2

 武装兵の中には、ビデオカメラを回している者も居た。
 その映像で何をするつもりなのかは分からなかったが、今後の私の人生にどのような影響が出るのかを想像するだけで目眩がしそうだった。
 しかしそれは将来的な問題に過ぎない。現在直面している命の危機に比べれば大したことはない。
 そのことを思い知らされたのは、さらにひとりが射殺された時だ。
 ほんの一瞬で、残り5人が4人になった。私たちの命がどれほど軽いか証明しているかのようだった。
 裏でどういうやりとりがあって武装集団のリーダーがこのような決断を下したのか、それは不明だ。分かっているのは、もう私も他の令嬢も殺すことが決まったということだけ。

 さっきから荒い呼吸音が耳に直接届いていた。誰かが耳元で息をしているのではないかと思ったが、勘違いだった。荒々しい呼吸をしているのは私自身だったのである。
 それに気付いた途端、余計に息が苦しくなってきた。立っているのも辛く感じた。
 けれど姿勢を崩すわけにはいかない。言うことを聞かないと射殺されてしまうから……。
 そこまで考えると私は混乱しそうになった。このまま後頭部で手を組んで立っていても殺されるだけなのに、それでも黙って屈辱のポーズを取り続ける私はなんなのだろう。何か手があるのに見逃しているのではないだろうか。
 でもどうすれば良いか分からない。頭の中が真っ白で考えがまとまらない。

 オシッコの臭いがして私は我に返った。
 漏らしたのは私ではない。隣の令嬢だ。かなり勢い良く放尿しているようで、水音がはっきりと聞こえた。
 そんな中、乾いた銃声が体育館に響き渡り、4人が3人になった。
 あらかじめ武装集団に言い含められているおかげで、悲鳴を上げる者は誰も居なかった。
 隣の水音も止むと体育館が静まり返った。
 無音の中で再び銃声。3人が2人になった。

 次に銃を頭に突き付けられたのは私だった。
 隣の放尿娘は最後らしい。端から順番に射殺されているのだから、並び順通りなのだが、しかし私にはどうにも納得がいかなかった。最も家柄が良い上に抜群の知能を有するこの私が、5人中4番目なんていう中途半端な順番で殺されて良いはずがない。これではまるで、私という存在が5人の中に埋もれているかのようではないか。武装集団からすれば5人という固まりにしか見えていないとでも言うのだろうか。

 私にはもっと相応しい扱いがある。
 そう抗議しようとしたが、太ももに温かい液体の感触がして私は硬直した。
 両方の太ももを伝い落ちていく液体が何なのか、それを察するのに時間はいらなかった。水音が裏付けていた。
 全校生徒の前で股間を丸出しにしているだけでなく、放尿姿まで晒している。現状を認識すると血の気が引くのを感じた。すぐに全身が焼けるように熱くなるであろうことが想像できた。
 しかし身体が次の反応を示すことはなかった。その前に銃声が聞こえた。

短編・人質羞恥露出1

 人前で目立つことは子供の頃からそれほど苦手ではなかった。私の家は日本有数の名家で、大勢に向かって挨拶するのには慣れていたし、学校でも表彰されることが多かった。そういう時に物怖じした記憶はない。
 しかし今、体育館の壇上で横一列に並ばされているこの時に至っては別だった。全校生徒の視線なんて普段の私には何でもないけれど、スカートもパンツも取り上げられ下半身丸出しの状態では、さすがに震え上がるしかない。

 晒し者になっているのは私も含めて5人。いずれも名家の娘である。財閥系の大金持ちだったり、代々政治家を輩出している一族だったり……。この高校を卒業したら当然大学に進むとして、その後の動向次第では日本全体に影響が及ぶ。私たちはそういう種類の人間なのだ。とはいえそれは将来の話で、現在はただの成績優秀な女子高生に過ぎず、圧倒的な暴力の前では全くの無力だった。
 小隊規模の武装集団が女子校を占拠したのは30分ほど前のことだ。アメリカが崩壊してから世界が滅茶苦茶になり、日本でもテロなんて珍しくなくなったけれど、それでも、数百人を人質にした立て篭もりなんて、そうあることではない。
 まあ前例はないこともないが。その時は確か突入部隊による強硬手段で解決したんだったか。かなりの時間が掛かったはずだし、犠牲者も多かったような気がするけど……。
 私の学校を占拠した彼らがそのことを知らないはずがない。それでも実行したということは、よほど切羽詰まっているということだろう。だとしたら事態はより深刻だ。捨て身の人間ほど恐ろしいものはない。
 実際、彼らは容赦がなかった。私たち生徒が体育館に押し込められる過程で何人が撃ち殺されたか分からないくらいだ。

 壇上で立たされている名家の娘も、最初は6人だった。ひとりは抗議の声を上げたせいであっさり殺されてしまった。
 一般生徒とは人質としての価値が段違いなので、まさか殺されることはないだろうと私は思っていた。だから彼女がほんの数秒のやりとりの末に撃たれたときは本当に驚いた。たぶん、本人もそうだったに違いない。彼女はお腹を撃ち抜かれ、何分も苦しみ抜いた上で死んだ。

 それからはもう私たち5人は彼らの言いなりだ。スカートを下ろせと言われればそうした。パンツを脱げと言われた時は若干の躊躇をしたけれど、小銃を向けられた途端、先を争うようにして脱ぎ捨てた。
 そして私たち5人は、頭の後ろで手を組まされ、足は肩幅に開かされ、全校生徒に陰毛を晒し続けているのである。

女子大生アナル検査3 ガラス棒

女子大生アナル検査3 / 空想地帯 SM官能小説

「よし、膣には何も隠していないな。次は肛門の検査だ」
 尻穴に指を突き当てられ、舞は全身を硬直させた。
 まさかそんなところにまで指を入れられるだなんて思いも寄らなかった。肛門はただの排泄器官であり、それ以外の用途なんてあるはずはない。ましてや、凶器や薬を隠し入れておくなど、そんなことは有り得ない……。
 舞はそう思い、言葉にせずにはいられなかった。
「そ、そこには何も隠してません。本当です。だからやめてくださいっ」
「馬鹿か、お前」
 刑務官の呆れたような声に、舞は自分の行動の愚かしさを悟った。誰が私の言葉など信じるというのか。言い訳をすればするほど疑いは深まっていくものなのだ。これまで散々に思い知ってきたはずなのに……。
「大人しそうな顔をして、ケツ穴にブツを仕込んでるのか? これは念入りに調べる必要があるな」
「そ、そんなっ!?」
 肛門に押し当てられている刑務官の指に力が入ったのを感じて、舞の口から恐怖に満ちた声が漏れる。
「あうう、ああぁ」
 排泄口に突き立てられている人差し指が圧力を徐々に強めてきた。刑務官が力を込め出したのだ。
 小さく縮こまっている蕾を今にも貫通されそうな気がして、舞は必死になって尻穴を収縮させた。アヌスを閉ざしただけで肛門検査を拒み続けることなど現実的ではないが、唯々諾々と直腸内を蹂躙されるまま黙っていることはできなかった。
「う、ううう!」
 菊座はそれほど強く突かれているわけではないため、力を入れて尻穴を窄めているだけでも、なんとか侵入を阻むことが可能だった。けれどもずっとそうしていられるはずはない。長く菊門を引き締めているのは難しく、気を抜けばすぐにでも緩んでしまいそうだった。
 しかも刑務官は明らかに手加減をしている。
「ほら、どうした? もっと尻の穴を締め付けないとブチ破るぞ」
「あ、あうう」
 刑務官の人差し指がごくわずかに沈み、その分だけ舞の肛門が口を開いた。背筋がヒヤリとした。慌てて尻に力を込め直して防備を固める。
「なかなか頑張るな。だがまだ終わりじゃない。もっと気張り続けないとすぐにでも押し負けることになるぞ」
 楽しそうな声だった。懸命になって尻穴を窄めている舞の姿を嘲笑っているのだ。刑務官がその気になっていたら、最初に人差し指を肛門に突き立てられた時点であっさりと肛蕾を貫かれていただろう。
「ううぅ」
 それでも舞はアヌスを引き締め続けた。どのみち耐えられないだろうことが分かっていても、諦めることはできなかった。直腸検査への嫌悪感はそれほど強い。
 排便のためにだけ存在する部位を穿り返されるだなんて、人としての矜持を踏みにじられるのにも等しい、と舞は思った。長い歴史を経て人権が尊重されるようになった現代社会において、こんなことが許されて良いのだろうか。いくら検査のためとは、ここまでする必要が本当にあるのだろうか。様々な思いが心中に膨れ上がる。
「く、う」
 だんだんと尻穴を窄める力が弱まってきた。限界が来たのだ。舞の意志に反して肛門が勝手に緩もうとする。必死に収縮させようとするが弛緩は止まらない。
「おい、尻穴から力を抜いていいのか? 入ってしまうぞ?」
「ひいぃ」
 刑務官の指先が、菊皺の中心に少しずつ消えていく。愛液で濡れているせいか、いったん流れができると、指は難無く侵入を果たしてしまう。  しかし進入速度は緩やかだった。刑務官は意識的にゆっくりと舞のアヌスを掘り進めているようだった。舞の恥辱を煽っているのだ。
 着実に人差し指が埋没していき、舞は緊張に息が詰まりそうになった。指なんて入れて本当に大丈夫なのか。自分の排泄器官がどうにかなってしまうのではないか。不安が舞を襲う。今までの人生で直腸は数え切れないほどの排出を繰り返してきたが、外から異物を受け入れるのはむろんこれが初めてのことだった。
「どうやら切れたりする心配はしなくても良さそうだな。便秘気味の女だと最初から肛門が傷付いている場合もあるが、お前の場合はそんなこともないようだ。もう少し念入りに調べてやろう」
「うぐぐ!」
 第一関節まで埋まった指は、そこで止まることなくさらに進み、第二関節までもが姿を消した。挿入はまだ続く。
「あ、あうぅっ」
 舞は掠れた悲鳴を上げた。直腸粘膜を擦り上げられることによって、尻穴に指をねじ込まれているという現実を、嫌でも実感させられる。
 顔から急速に血の気が引いていった。それが自分でもはっきりと分かる。心臓は破裂しそうなほど激しく鼓動していた。排泄口に他人の指が埋まっていく感覚に虫酸の走り、息苦しさすら覚える。官能とは程遠い感触だった。
 人差し指を根元まで差し込まれ尻穴が、強烈な異物感に反応して何度も収縮する。
 舞は、目を見開きながら荒い呼吸を繰り返した。こめかみを汗が垂れ落ちる。額にはびっしりと脂汗が浮かんでいた。
「ふむ」
 刑務官は指をすっぽりと埋めたまま長い間 静止していた。腸内に隠している物がないかを指先の感覚から探っているのだろう。
「奥の方に何かあるような気がするな」
「ええぇ?」
 身に覚えのない疑いを掛けられて頭が混乱しそうになったが、すぐに気付いた。刑務官が感じている物の正体。舞は従来から便秘気味だったが、逮捕されてからはストレスのせいかより酷くなっていた。便通があったのは三日前だろうか。今頃は水分を失った固形物が直腸の入り口付近にまで下りてきていても不思議ではない。
 しかしそれを言う気にはなれなかった。恥ずかしいというのもあるが、申し出たところで刑務官が信じてくれるとは思えない。あるいは知っていてとぼけているのかもしれないが、だとしたら、余計に何を言っても無駄だろう。
「おい、本当は隠してるものがあるんじゃないのか? どうなんだ?」
 ねちねちとした言い方だった。
 舞が黙っていると、刑務官は鼻を鳴らした。
「黙秘か。まあいい。奥まで調べてやるだけだ」
 吐き捨てるように言って、人差し指を引き抜いていく。
「あ、あうう」
 腸粘膜を擦られた舞は、排便しているような感覚に狼狽えた。腸の中に溜まっている物が刑務官の指と一緒に出ていってしまいそうな気がした。
 人差し指が抜け切ってもそれが錯覚だったとは思えず、お漏らしをしていないかと不安になった。刑務官が何も言ってこないことを確認して、指が抜けただけなのだとようやく判断することができた。
「次は、これだ」
 刑務官は舞の肛門から指を離し、代わりに細いガラス棒を押し当ててきた。
 肛門表面に感じる冷たい感触に舞は目眩がしそうになった。これからこんな無機質な物で尻穴を掘削されるのだろうか。刑務官の慈悲に縋り付きたくなる。
「や、やめてください。本当に何も隠していないんです……」
「そんなことは調べれば分かる」
 人差し指が一度入っただけでまだ大してほぐれてもいない直腸内に、ガラス棒が回転しながらねじ入れられていく。
 棒自体は全く濡れていないが、すでに舞の肛門は先ほど指を入れられた時に自身の愛液を塗り込められていた。尻穴を窄めても細いガラス棒の侵入を押し留めることは全くできない。
「は、はおぉ」
 舞は動物のような呻き声を漏らした。生まれてから一度も発したことのないような声だった。英会話サークルの男達が聞いたら耳を疑うことだろう。声だけ聞かされたとしたら、大人しく控え目な舞の口から出た言葉とは信じられないに違いない。
 ガラス棒は無遠慮に奥へと進み、容赦なく腸壁を抉り込んでいった。棒自体は指よりもずっと細いため、それほどの痛みは感じない。けれども、背筋をぞわぞわと駆け上がる不快感に、足首を掴んでいる手の震えが止まらなかった。
 刑務官がどこまで腸道を貫くつもりなのか分からないため、直腸のさらに奥まで責め抜かれたりはしないだろうかと、余計な心配までしてしまう。
 腸内のどの辺りまで侵攻されても傷が付かないのかは知らないが、刑務官はちゃんとそういう知識を有しているのだろうか。限界を超えて腸奥を貫かれて、取り返しの付かない傷を負わされる可能性を危惧せずにはいられない。
 今まで数え切れないほどの囚人に対して肛門検査を行ってきたであろう刑務官がそうそう間違いを犯すはずはない、と思いたいが、別に彼女たちは医者でもなければ看護士でもない。それほど人体を熟知しているというわけではないだろう。それを自覚して慎重な検査を心掛けてくれるのなら問題はないけれど、囚人をいたぶることに悦びを覚えている節のある刑務官たちを信頼することなんて、できるはずはない。
 ガラス棒は、人差し指の時よりもずっと深い位置にまで沈み込んでいった。
「あぁ、もう、無理です。それ以上は……」
「何を言っている。まだ入るだろう」
「そんな……」
 恐ろしくて瞳から涙が溢れ出た。もうどれだけガラス棒が埋没したのか分からない。実際には違うのだろうが、体感では一メートル以上は送り込まれているような気がした。
 腹の中でガラス棒が奥へ奥へと押し通っているのを感じる。感じ取れてしまう。腸内の感覚はひどく薄いので、感じ取っている気になっているだけかも知れないが、それによって、直腸を掘り進まれているイメージが舞の脳裏に鮮明な映像となって浮かんでしまう。
「あ、ああ」
 直腸を突破されてしまうのではないかと思えるほど深々と奥まで突き込まれ、ガラス棒の動きがやっと止まった。
 ほっとして息を吐きたいところだったが、刑務官は不満げな声を上げた。
「何も隠してないじゃないか。思わせぶりなことを言って、よくも余計な手間を掛けさせてくれたな」
「わ、私は何も……」
「チッ!」
 刑務官は舌打ちしながらガラス棒を乱暴に引き抜き始めた。
「んんううぅ!」
 腸粘膜を擦り上げられていると、排便時に似た感覚が込み上げてくる。便を漏らしてしまいそうな気がして舞は咄嗟に肛門を窄めた。
 直腸がガラス棒を食い締める。
「力を入れるな! 懲役囚の分際で、いつまでも恥じらってるんじゃない!」
 無意識のうちに引き締めていた尻たぶに刑務官の平手が飛んだ。
「あううぅ」
「動くな! ジッとしていろ!」
「く、ううっ」
 先端まで出掛かっていたガラス棒が再び腸奥に分け入ってきた。腸内を嬲られる恥辱に姿勢が崩れそうになる。
「ど、どうして、こんなっ!」
「黙っていろ!」
「あ、あぁ、あうっ」
 刑務官はガラス棒をゆっくりと上下させた。
 舞の腸内が無慈悲に掻き乱されていく。もう腸内に隠している物がないことは刑務官も分かったはずなのに、何故か執拗にガラス棒が出し入れされる。
 刑務官の意図が理解できなかった。まさか、尻穴から何も見付からなかった腹いせだろうか。
 異物の侵入を感知して、腸粘膜から少しずつ直腸液が滲み出す。それにより摩擦が減少し、ガラス棒の出入りがだんだんとスムーズになっていく。
 とはいえ腸液の量などたかが知れている。指で塗り込められた愛液と合わせても、充分に濡れているとは言い難い。
 にもかかわらず、ガラス棒の出し入れは着実に勢いを増していった。滑りが良くなったからではなく、刑務官が無理やりに力を込めているからだった。
 腸奥から入り口近くまで、ガラス棒の先端が一息で引き抜かれる。
 そのうちに直腸粘膜が熱を持つようになってきた。無理に擦られて腫れ上がり始めているのだ。
 ピストン運動はさらに荒くなっていく。鋭い痛みが排泄口の浅瀬に走った。
「い、痛い、痛いです!」
「これくらいで泣き言を漏らすな、懲役囚が! ケツ穴が擦り切れても文句が言えない立場だということを思い知れ!」
 刑務官は舞に罵声を浴びせながらガラス棒を激しく抽送した。

「ああぁっ、いやぁっ!」
 舞は大きく口を開けて喉を震わせた。頭を占めるのは尻穴の激痛。恥じらっている余裕など微塵もない。
 肛門を奥深くまで一気に貫通され、すかさずまたガラス棒が引き出される。肛門粘膜に焼け付くような痛みが広がっていた。  そのうち、猛烈な勢いで続く肛門責めに便意が込み上げてきた。それも抗いようがないほど強烈な感覚だった。あれほど辛かった痛みすら一時的とはいえ意識から外れる。一瞬、また直腸の撹拌を身体が勘違いしているのかと思ったが、反応しているのは腸壁だけではなかった。腸全体が排泄に向けて轟き出していた。
「や、やめてください、漏れちゃいます、だからぁっ!」
 涙ながらに懇願する。とても長くは持ちそうになく、形振りを構ってはいられなかった。
「漏れるって何がだ!? 何が漏れるんだ!? はっきりと言え!」
 刑務官はガラス棒の出し入れを止めることなく問い質してきた。
「あ、あううっ!」  これ以上は恥ずかしくて言えない、と思ったが、迫り来る崩壊の時を前にして羞恥心は吹き飛んだ。
「ウンチですっ! ウンチが漏れそうなんですぅっ!」  泣き声を張り上げる舞。口にするのも恥ずかしいこんな言葉を絶叫したのはもちろんこれが初めてだ。
「なんだ、糞がしたいのか? だったら我慢することはない。存分に漏らせ。糞の後始末は他の囚人にやらせるから、気兼ねすることはないぞ。どうせ糞便を垂れ流すまで検査は終わらないんだ。浣腸の手間が省けて良い」
「う、嘘……」
 いくらなんでも排泄くらいはトイレでさせてくれるだろうと、舞の常識的な思考はそう信じて疑わなかった。それをあっさりと覆されてしまい、驚愕に耳を疑った。
「ト、トイレに、お願いしますっ!」
「駄目に決まっているだろう、馬鹿が! ぐだぐだ言ってないで、今すぐ脱糞しろ!」
「嫌っ、いやああぁっ!」  絶望に押し上げられ舞は悲痛な叫び声を上げた。  ここに来る前に過ごしていた拘置所では、与えられた個室に便器が剥き出しになって設置されていたが、刑務官の目から隠れて排泄することを許されていた。巡回の時に便器にしゃがまなければいいのだから簡単なことだ。
 舞が本来 移送されるはずだった刑務所に至っては、独房の監視窓と便器の間が木板で仕切られているらしい。肩や顔は見えてしまうようだが、仮に運悪く排便中に刑務官が通り掛かっても、肝心なところは隠していられるようにという配慮がなされているのだ。
 しかるにこの刑務所はどうか。仕切りどころか、今ここで無理やり排泄させられようとしている。移送されてきてからもう何度目のことになるか分からないが、舞は己の不運を呪わずにはいられなかった。
 やがて、便意に加えて尻穴の激痛まで戻ってきた。直腸粘膜を激しく擦り上げられる痛みによって、肛門を窄めることができなくなる。もはや排便を止める術はなく、腹を下っていく固形便の感覚に舞はただ慄くしかなかった。
「ああぁっ、も、もうっ、んぁぅっ!」
 切羽詰まった声を上げながら全身を震わせる。すぐそこに迫っている決壊の瞬間に怯え、顔が引きつった。
 硬くなった汚物が舞の意志に反して腸内から出て行こうとする。
「い、いやあぁああっ!」
 舞は思わず足首から手を離し、その場にしゃがみ込んだ。
 排泄口から固形物がゆっくりと顔を出してくる。
「あああぁっ、見ないでください!」
 極限の恥辱に頭の中が真っ白になった。
 一度勢いが付くと排泄を止めることはできなかった。尻穴を窄めようとしてしても、わずかに括約筋が引き締まるだけで、またすぐに緩み、排泄物を吐き出してしまう。
「ポロポロ出てくるじゃないか。どれだけ腹の中に溜め込んでいたんだ? えぇ、おい」
「い、言わないでください」
 肛門から捻り出されてくる大便は、便秘中のためか水分のほとんどを失い硬くなっていた。小さな塊がいくかに分かれて次々と吐き出されてくる。
 排便が進むにしたがって、硬い固形便から次第に水分を含んだ軟便へと変化していった。
 肛門が収縮して、再び広がる。そのたびに、ほぐれた排泄物が溢れ出る。時には放屁が漏れることもあり、舞は心臓に氷を押し付けられたかのような感覚を味わった。
「あ、ああぁ……ああう……」
 いつしか舞の顔は涙でぐちゃぐちゃになっていた。これほどの辱めを受けるくらいなら死んだ方がまだマシではないかとさえ思えた。
「なんて臭いだ、おい。お前は自分の出したものだから気にならないかも知れないが、他人の糞を嗅がされるこっちの身にもなれよ」
「ううぅ」
 刑務官の言葉は、傷心の舞の胸をさらに深く抉り取っていった。舞の両脇で監視している警備員の失笑が聞こえてきて、余計に惨めな気持ちになる。
「いつまで糞を垂れているつもりだ? 検査に必要な分量はもう満たしている。さっさと止めろ」
「ま、まだ、出て……」
 止められるものならとっくに止めている。舞の意志とは関係なく肛門は軟便をひり出していく。
 勢いの弱い排泄のため、直腸内が空になるまで長い時間が掛かった。小さな放屁音を何度も鳴らしながら排便が続いた。

 五分以上の時間を掛けてようやく尻穴が閉じ切ってくれた。
 刑務官は、大便の中に異物が混入していないのを確認すると、濡れ雑巾で舞の肛門を無造作に拭った。
「よし、検査は終わりだ! さっさと立て!」
「うぅ、は、はい」
 舞は肩を震わせながら直立の姿勢を取った。まだ尻穴がを持って痛みを訴えている。出来ることならその場に蹲りたかったが、刑務官に対する恐怖の方がそれを許さなかった。
「お前はこれから結城舞ではなく、313号となる。自分の番号をよく覚えておけ」
「はい……」
 名前でさえ呼んでもらえないという事実に目の前が暗くなった。
 自分が移送されるべきはずだった刑務所では、囚人のことを名前だけでなく「さん」と敬称まで付けて呼ぶらしい。ひとりの人間として尊重し、社会の一員であることを自覚させるのが目的だという。それゆえに刑務官と囚人は強固な信頼関係で結ばれる。今の舞には理想郷のようにすら思えてくる環境だった。
 ここでは信頼などという言葉は存在しない。あるのは刑務官による支配のみ。入所してすぐに行われるこの身体検査には、刑務官と囚人の力関係を叩き込むという意味合いも強く含まれているのだろう。
 確かにその効果は絶大だった、と舞は思う。入所前とは違い、刑務官の言うことに逆らおうなんて気は消し飛んでいた。反抗的な態度を取ろうとは最初から思っていないが、それでも多少の我が儘くらいは許されるのではないかという甘い考えは捨て切れていなかった。自分は本来ならここに来るべき人間ではない。その意識が、自分は特別扱いされて然るべきだという思考へと進んでいた。もちろん無意識下でのわずかな気持ちではあるが。
 そういう馬鹿な思い上がりを捨てさせるための身体検査なのだ。実際に受けてみて舞はそれがよく分かった。膣穴を調べられ、尻穴を穿られ、挙げ句の果てに排泄姿まで見られ、胸の内にあった甘い気持ちは粉々に打ち砕かれてしまった。
 舞とは少し事情が違うだろうけれど、これまでの囚人たちも同じような気分を味わってきたに違いない。塀の外でどんな生活を送っていようとも、ここではケツの穴まで無防備に晒さなければならない立場なのだ。
「声が小さいぞ、313号!」
「は、はいっ!」
 舞は直立不動のまま慌てて声を張り上げた。
「よし、ではすぐにこれを着ろ」
「はい!」
 刑務官から簡素な下着を与えられた。白の下地に無数の染み。明らかに使い古された形跡がある。別の囚人が履いていたものなのだろう。
 潔癖症というわけではないが、どちらかいえば綺麗好きの部類に属する舞にとっては、酷いというのも生温いような仕打ちだった。
 いくらなんでも下着を使い回さなければならないという決まりはないはず。おそらく、予算にはしっかりと支給品の費用を計上しているのだろうが、実際にはそれらが仕入れられることはなく、刑務官の懐に経費が流れ込んでいるのだ。
「…………」
 分かってはいても文句など言えるはずもない。舞は黙って汚れたショーツに足を通した。これから始まる刑務所暮らしでは、この程度の屈辱なんていくらでも待っていることだろう。

女子大生アナル検査2 平手打ち

女子大生アナル検査2 / 空想地帯 SM官能小説

 そもそも、大人ぶって車で大学に通っていたことからして悔やまれる。
 舞は受験を終えてすぐに自動車学校へ通い始め、大学入学後まもなく免許を取得した。それからは車で通学するようになった。山沿いにある国立大学へ行くには、それまで電車とバスを何度も乗り継がなくてはならなかったが、自動車ならばそんな面倒なことはしなくてもいい。家を出てそのまま大学へと直行できる。そのため舞と同じように自動車で通学している学生も少なくなかった。
 入学祝いとして親に買ってもらった新車のミニ・クーパーは舞のお気に入りだった。
 それなりに大きな会社でそれなりの地位にいる父親にお願いすれば、もっと高価な車だって買い与えてもらえただろうが、舞は自動車に詳しくなかった。ほとんど何も知らないと言っていい。なので、特にこだわりはなかった。
 自動車雑誌をパラパラとめくっていて目に止まったのが、ミニ・クーパーだった。ほぼ直感のみでそれに決めてしまったが、実際に乗っているうちに愛着が出てきた。
 休日は家で読書することの多かった舞だったが、5月の連休時には、運転がしたくてわざわざ遠出して買い物に行った。
 事故を起こしたのはその帰り道でのことだった。
 被害者は生きているうちに舞の視界へ入ることはなかった。舞は、左のバンパーから衝撃を感じ、初めて車道に人がいたことに気が付いた。
 現場は木々に囲まれた一本道だった。衝突まで舞が気付かなかったことから考えて、被害者がいきなり飛び出してきたとしか思えなかった。
 後から分かったことだが、被害者はいわゆる当たり屋だった。過去に六度も交通事故に遭い、そのたびに相当な額の示談金をせしめている。自動車側に責任があるかのように見える飛び出し方くらい、むろん熟知していたことだろう。
 今回は運悪く死んでしまったが、衝突の瞬間まで舞に気取られなかったのだから、当たり屋としての腕前は見事なものだった。
 おそらく舞の家が裕福であることを調べ上げた上で、舞を狙い打ちにしてきたのだろう。だからこれは、不本意な結果に終わったものの、当たり屋にとって生きるか死ぬかのタイミングで飛び出す価値のある大仕事だったのだ。舞はそう思い、裁判でもそう主張した。
 しかし証拠はない。果たしてこれは「仕事」の一環だったのか。それとも当たり屋がたまたま本当の事故に遭ったのか。裁判でも見解の分かれるところだった。被害者の素性だけを見れば誰しも一致した見解を出すだろうが、当たり屋の飛び出すタイミングは絶妙を極めていた。今回ばかりはただの事故かも知れない。裁判官にしてそう思わせるほど自然な「事故」だった。
 事故直後、付近には通り掛かりの中年男がいた。彼は事故の一部始終を目撃しており、舞にとっては自身に過失がないことを証明する助けとなるはずであったが、結果的にはむしろ不利な証言を繰り返す存在となった。これは当たり屋の巧妙な動きばかりでなく、舞の不注意によるところも大きかった。
 舞は事故直後、すぐに救急車を呼ぼうとしたが、震える手でバッグを探っても携帯電話を見付けることが出来なかった。家に忘れてきたのだろうと思った。よりにもよってこんな時にと苛立ちを感じたが、それどころではないと心の中で必死に自分に言い聞かせた。被害者の携帯電話を使えば済む話だったが、動揺の極致に達している状態ではそれに気付くことが出来なかった。
 とにかく被害者を死なせてはならないという思いで頭がいっぱいになり、舞は公衆電話を探すためにその場を離れた。舞が走り出したのは、ちょうど目撃者が駆け寄ってきた時のことだった。舞はそれに気付かなかった。逃げたと言われても仕方のない行動だった。
 結局、当てもなく歩き続けても公衆電話を見つけることが出来ず、舞は疲れ切った身体を引きずって現場へと戻ってきた。すでに何人かの警官が駆け付けていた。現場を離れた時点では夕暮れだったはずだが、戻った時には辺りが真っ暗になっていた。自分ではほんの五分かそこらしか歩き回っていないように思っていたが、実際には三十分以上が経っていた。
 制服を着た警官が真剣な顔をして自分のミニ・クーパーを調べている光景は、ひどく現実感が薄かった。舞がよく視聴する二時間ドラマでも見せられているような気分になった。
 轢き逃げの現行犯として手錠を掛けられた時は、自分の身に起きたことが信じられなかった。
 これは何かの間違いで、すぐに誤解はとけるだろう。そう思っていた。しかし、逃げ出そうとしたわけではないと何度説明しても、警官は冷たい目を向けてくるだけだった。そこでようやく、舞は自分が立たされている状況を理解した。
 不運はさらに続いた。
 警察署に連行されてから、バッグの中にちゃんと携帯電話が入っていたことを知らされたのである。頭に重い衝撃が走った。事故直後、軽いパニック状態に陥っていたせいで、バッグの奥に携帯電話が入り込んでいたことに気付かなかったのだ。必死にそのことを主張したが、誰も信じてはくれなかった。
 犯罪者はみんなそうやって苦しい言い訳を平気でする。そう言われた時のことを、舞は一生忘れられないだろう。刑事の目は、まるで汚物でも見ているかのようだった。まともな人間として見られていないことが、何よりもショックだった。
 取り調べ室は妙に狭かった。ただでさえ動揺していた舞は、耐え難い圧迫感に襲われた。そんな状態の中で、自分の発言は犯罪者の言い訳としてしか受け止められていないのだと悟った時、張り詰めていた糸があっさりと切れてしまった。舞は顔を覆って泣き崩れた。引き返すことの出来ない現実に押し潰されてしまいそうだった。
 刑事たちは、舞の反応を最初から予期していたかのように、全く気にすることなく話を続けた。いくら泣いても、刑事たちから白けた空気が漂ってくるだけだった。これが犯罪者の扱いというものなのだと思い知り、舞は心底から愕然とした。
 裁判が終わるまでに、長い時間が掛かった。自分の身に降り掛かった現実から目を逸らしたかった舞は、一貫して無罪を主張した。退学になっても尚、無罪にさえなれば元の生活に戻れるのだと信じて疑わなかった。
 その結果が実刑判決。
 素直に罪を認めて反省の意を示し、減刑を狙うべきであった。弁護士、両親、友人。それを勧めた者は何人もいた。それでも舞は前科一犯になるのが恐くて、無罪を主張し続けた。警官から犯罪者のような目で見られた時のことが忘れられなかった。あんな思いは二度と御免だった。
 そのうちに友人たちは説得を諦め、面会にも来なくなった。自分たちの言うことを聞かずに実刑への道を進む舞に愛想を尽かしてしまったのだろう。舞が塀の外に出てくる頃には、サークルメンバーたちは社会に出てばらばらになっている。それを考えれば見捨てられるのも道理というものだった。当時の舞にはその理屈が分からず、ただただ悲観に暮れるしかなかった。
 両親でさえも次第に面会の間隔が開いていった。舞の姉の結婚が決まってからは、ぱったりと来なくなった。舞はもう一ヶ月以上も親の顔を見ていなかった。

「結城舞!」
 刑務官の雷鳴のような怒号に舞は我に返った。
 足首を掴んで尻を突き出すという屈辱的な格好のせいで、舞は無意識のうちに過去の記憶へ逃避しようとしていた。しかしそれも、尻に思いっ切り警棒を叩き付けられることによって、一瞬で断ち切られてしまう。
 強烈な痛みに崩れ落ちそうになったが、足首を掴んでいる手に力を入れ、なんとか姿勢を保つ。
「無視を決め込むとはいい度胸だな! 反骨精神を気取ったって、ここじゃあ泣きを入れるまでぶん殴るだけだ! 自分の身体で学習しろ!」
 刑務官は男のような口調で怒声を上げながら、再び舞の尻に警棒を振り下ろした。
「うぐぅっ!」
 尾てい骨にまで響くほどの衝撃に、舞は足を震えさせた。自分の人権などいっさい考慮に入れられていないことを、痛みによって思い知らされる。
 刑務官は、舞の尻たぶを掴み、無慈悲に割り開いた。
 股間に外気を感じて舞は目を見開いた。
 刑務官はゴム手袋をしているようだった。肌に引っ掛かる独特で不快な感触がする。掴まれている部分に怖気が走った。
「う、ううぅ」
 広げられた秘裂に視線を浴びせられ、全身が熱くなった。
「オマンコは使い込んでいないようだが、ひょっとしてバージンか?」
「…………」
 あまりにも配慮に欠けた質問に呆然となってしまう。
「さっさと答えろ!」
「そ、そうです」
 怒鳴り声に怯え、舞は震えながら言葉を返した。本当ならばもちろん黙秘を貫きたいところだが、また尻を打たれるのだけは避けたかった。暴力などほとんど受けたことのない舞にとって、強烈な尻打ちは耐え難いものだった。
「バージンか。人をひとりブチ殺すような凶悪犯のくせに、男の味も知らないのか?」
「そんな、私……」
「口答えするな!」
「うぐっ!」
 腫れ上がった尻を平手で叩かれた。それだけで飛び上がりそうになるくらいの鋭い痛みが走る。数度の打擲で尻肌は赤く腫れ上がり、刺激に対して敏感になっているのだった。
「す、すみませんでした」
 悪くもないのに謝ってしまう自分が情けなくて、舞の目から涙が零れ出る。
 刑務官は、舞の尻肉を外側に引っ張りながら罵倒した。
「この人殺しが! お前に反論する権利なんて一切認められてないんだよ!」
「は、はい」
 彼女たちのような人種には何を言っても無駄なのかもしれない、と舞は思った。言葉の内容など関係なく、ただ自分の意に添わないことを口にしているのが許せないのだ。そして、気に食わない相手に対しては、どこまでも非情になれる。それが絶対的優位に立った時の人間が見せる本質……。これまでの取り調べや裁判などで、そんな現実を何度突き付けられてきたか分からない。
「では身体検査を続ける。そのまま動くなよ」
「はい」
 秘唇に刑務官の指が触れてきても、舞は足首を掴んだまま耐えた。
「う、うくっ」
 愛撫しているかのように陰唇を擦られると、どうしようもなく股間が疼いてくる。
 逮捕されてから常に監視され、拘置所ではずっと自慰をすることができず過ごしてきた舞の身体は、わずかな刺激にも反応してしまうようになっていた。
「はぁ、ああぁ」
 刑務官の指がクリトリスに触れ、舞は全身をブルッと震えさせた。
「何を感じてるんだ! これは検査なんだぞ!」
「す、すみません」
 刑務官に怒鳴り付けられ、舞は必要以上に萎縮した。消え入りたいほどの恥ずかしさがそうさせるのだった。
 嫌がらせのつもりなのか、執拗に秘処をまさぐられているが、それでも身体検査であることは確かだ。なのに官能を得てしまう身体。自分が軽蔑すべき浅ましい存在であるかのように思えてきた。
「次は中を調べる」
「あ、あうっ!」
 膣口にいきなり指が潜り込んできた。まだ指先がほんのわずかに入っているだけだが、舞は、心臓が凍り付くかのような衝撃を受けた。なにしろ膣穴に異物の侵入を許すなんて初めてのことなのだ。自分の指すら入れたことはない。膣口が人差し指ひとつ分まで広がっている未知の感覚に、舞は動揺のあまり尻を揺すった。
「動くな! 検査を邪魔する気か!」
「で、でも、ああぁ、でもっ」
 さすがに舞もこれには黙っていることができなかった。まだ誰にも許したことのない処女の源泉を同性の指で突き破られてしまってはたまらない。
 刑務官の指から逃れようと、舞は尻を突き出したまま腰をよじったが、たちまち刑務官の平手打ちが尻肌に飛んだ。
「くうっ!」
「懲役囚の分際で恥じらっているんじゃない! まだ尻を叩かれたいのか!?」
 それを言われては反抗する気もたちまち消え失せてしまう。尻肌はまだヒリヒリと痛んでいた。ここに再び打擲を加えられては、尻を突き出す体勢が崩れてしまうかも知れない。そうなると、更なる罰が加えられるだろう。想像するだけでも恐ろしかった。
「す、すみませんでした」
 刑務官の怒りを買う訳にはいかない。ここは引き下がらざるを得なかった。
 舞が観念したと見るや、刑務官はさらに指を膣穴に沈めていった。
「はぁ、はうぅ」
 先ほど秘唇や淫核を軽く弄られたが、それだけで膣内は充分に潤っているようだった。そのせいで、ゴム手袋は大した抵抗もなく膣内に侵入してくる。
 人差し指がすっぽりと埋まり、指の付け根が股間にぶつかると、舞は反射的に下半身を強張らせた。膣穴が窄まって刑務官の指を食い締める。  途端、舞は鋭い痛みに襲われた。
「い、痛っ、痛いっ!」
 女刑務官の小さな人差し指でも、今まで閉じていた膣肉を無理やり押し広げられると、粘膜を引き裂かれたかのような痛みが走った。
「少しくらい我慢しろ!」
 刑務官は指を回しながら引き抜いていった。痛みはますます大きくなる。膣肉も一緒に引きずられているような錯覚がした。
「痛いっ!」
「身体に力を入れるから余計に痛くなるんだ!」
 指が完全に抜かれると尻を叩かれた。
「うぅ……うく……」
 全く気遣いのない扱いに、止め処なく涙が溢れてくる。

女子大生アナル検査1 刑務所

女子大生アナル検査 / 空想地帯 SM官能小説

 裸身を自ら他人の目に晒すのは初めてのことだった。
 刑務所では囚人を全裸にして検査するのは当たり前のことなのかも知れないが、今まで真面目に生きてきた結城舞にとっては、全裸検査など容易には受け入れられなかった。
 真っ当な生活を送っている時は、塀の中のことを具体的に想像したことなんてなかった。大学に入るまで、実刑を受けるような犯罪どころか、万引きすらしたことがない舞は、現在の境遇を未だに信じることが出来ずにいた。
 裁判中に生活していた拘置所では比較的まともな扱いを受けていたが、今は違う。実刑判決を下され、刑務所に収監されてきた今日この瞬間からは、身体の隅々まで検査されることも拒絶できないのだ。

 2030年現在。この国の刑務所は運営のほとんどを民間に任せている。そのため、刑務所によって待遇に格段の差があった。
 舞が収監されたのは、囚人に容赦のない扱いをすることで有名な刑務所だった。囚人の八割が前科を持っている上に、大半が凶悪犯罪者である。
 初犯の舞がここにいるのは、刑務所側の事情による処置だった。本来なら、犯罪者を懲罰するためだけにあるこのような刑務所ではなく、社会復帰を目的としている緩やかな環境の刑務所に移送されるはずであった。しかしそちらは既に監房が満杯になっていたため、やむなく舞の移送先が変更されたのだった。
 もし予定通りの刑務所に収監されていれば、全裸にされて身体検査をされることはなかっただろう。囚人の権利が最大限に守られており、身体検査が行われても、せいぜい下着姿にされるくらいで済まされる。狭苦しい雑居房に大勢が押し込まれることもなく、それどころか全員に六畳の独居房が与えられる。そこでは、刑期が終わるまでのんびりと待つだけの恵まれた環境が待っていただろう。
 罰よりも更正を重視するその刑務所の姿勢は、再犯率などにそれなりの成果を上げていたが、一方で、囚人一人に六畳もの空間を与えているせいで、監房が数が少なく、常に定員が一杯の状態だった。
 そんな中、新たな囚人が収監される日の直前に、入れ替わりで仮出所する予定だった囚人が所内で問題を起こしたため、ついには監房が不足する事態となった。仮出所が取り止めになったことで、空くはずの独房が再び埋まり、新たな囚人を収監することが出来なくなったのだ。
 受け入れる予定だった新たな囚人は、他の刑務所に引き取ってもらうことになった。それが舞である。
 それら一連の事情は舞にも知らされていた。拘置所の刑務官に教えられた時の絶望感は大きかったが、嘆いてもどうにもならなかった。

 舞は全裸で立ち尽くしたまま、胃を締め付けられるようなストレスに晒されていた。身体を這う無遠慮な視線。刑務所での生活に対する不安。羞恥と緊張が舞の精神を追い詰める。
 今頃は、規律の緩い刑務所に入り、宛われた独房で落ち着いているはずだった。元々舞が収監される予定だった刑務所は、少し自由の利かない女子寮のようなところだという。
 けれど現実は、この国で最も恐ろしい場所に放り込まれ、衣服を着ることも許されず裸身を震わせることしかできないのだった。
 一度ここに来たからには、刑期を終えるまで出ることは叶わない。向こうの刑務所に空きができたとしても、途中で移ることは許されないのだ。
 舞が移送される直前に仮出所を取り消されたという囚人がどんな人なのか知らないが、温厚な舞もさすがに文句の一つくらいは言いたい気分だった。もっとも、他人を傷付けることなど思いもよらない舞が本人を前にしたら、とても相手を罵ることなど出来ないだろうが。
 いずれにしても、舞の与り知らぬところで起きたほんの小さな出来事によって、これからの数年間が大きく変わってしまった。それについてはいつまでも舞の心にしこりを残していた。本当ならもっと楽なところで刑期を全う出来たはず。そう思うたびにやり場のない悔しさが込み上げてくる。
 舞の周りには女性しかいないが、誰もが制服を着込んでいた。椅子ひとつない無機質な部屋の中で、刑務官一人と警備員二人が結城舞の周囲に陣取っている。
 これから先、少なくとも数年間は人間としての尊厳を剥奪され、プライベートは一切存在しないものとして扱われるのだ。  部屋の中でただひとり全裸で立たされているという状況が、舞を待っている過酷な現実を否応なしに突き付けていた。つい先日まで普通の女子大生をしていたのが遠い昔のことのように思えた。
 舞は、冷たい床に素足をぴたりとくっ付け、直立不動の姿勢を取っていた。
 机を挟んで舞の正面にいる刑務官が、書類に目を通しながら、興味のなさそうな態度で言葉を発する。
「氏名、年齢、職業……」
 ぼそぼそと呟くような声だった。  自分に質問しているのだと理解するのに数秒を要した。慌てて口を開く。
「ゆ、結城舞……18歳……む、無職……」
 言葉が進むほど声が小さくなっていった。現実と向き合うのは辛いことだった。
 無職。そう言わなければらないのが殊更に辛かった。
 ある日突然、舞は自動車事故を引き起こし、その直後に逮捕された。それから数日後、あっさりと退学処分になった。大学から拘置所に届いた通知でその事実を知った時、舞はあまりのことに呆然となった。地元の国立大学に苦労して入ったというのに、紙切れ1枚で全くの無駄になってしまったのだ。
 高校三年の夏休み、毎日のように図書館に通って勉強していた。受験当日、足が震えそうなくらいに緊張した。合格発表の日、両親が馬鹿みたいに喜んで、その勢いで家族旅行に出掛けた。何もかも、刑務所に放り込まれるためのことだったのだろうか……。
 記憶を巡らせていると泣きたくなってきた。舞は唇を強く結んで必死に涙を堪えた。裸身が小刻みに震えていた。
 18歳の女子としてはやや背の高い舞の身体は、高校時代にテニスで鍛えていたために、程よく引き締まっていた。胸はそれほど大きくないものの、ムッチリとした太ももだけでも、充分に女として魅力的な肢体をしていると言える。
 顔立ちも整っており、逮捕される前は腰まで届く艶やかな長髪がよく映えていたのだが、今は肩口で不格好に切り揃えられていた。実刑が確定したその日に、自慢だった黒髪をばっさりと切り落とされたのである。
「声が小さい。もう一度。やり直し」
 刑務官は自分のことを棚に上げて、机の上の書類に目を落としたまま小さく呟いた。
 舞は一呼吸置いてから、先程と同じ言葉を繰り返した。
「結城舞……18歳……無職です……」
 今度はゆっくりとだが淀みなく言えた。
 しかし刑務官は再び無感情な声を上げる。
「やり直し」
「…………」
 意図が分からず舞が戸惑っていると、刑務官は初めて顔を上げた。肌が弛み出し、白髪が目立ち始めている。見た目通りなら、舞の親と同じくらいの年齢だろう。
「やり直し!」
 外見はしょぼくれたおばさんにしか見えなかったが、彼女の口から雷鳴のように豪胆な声が室内に響き渡った。さっきまでの小さな呟きがまるで嘘だったかのような激しい声だった。
 舞は竦み上がりながら三度目の言葉を口にした。
「結城舞、18歳、無職っ……!」
「もっと大きな声で!」
「結城舞! 18歳! 無職!」
 恐怖に駆られ、普段なら絶対に発しないような大声を絞り出す。
 真面目で大人しい舞は、どんなにはしゃいでいる時も、大口を開けたりするような女では決してなかった。もちろん友達は何人もいるが、みんな同じように控え目な性格をしている。騒ぐこと自体が苦手なため、あまり積極的なタイプとは仲良くなることが出来なかった。
 高校時代はテニスで汗を流していたとはいえ、それほどハードな部活ではなかった。遊びでやっているのとそれほど変わらないような活動しかしておらず、スポ根とは完全に無縁の世界だった。県大会では二回戦までしか進めなかったが、部活は楽しかった。
 大学でも出来ればテニスをしたいと思っていたけれど、軽いノリのテニスサークルには付いていけず、かといってレベルの高い正式のテニス部に入ることも出来ず、舞は結局、真面目さが売りの英会話サークルを選んだ。
 男女同数の中規模サークルだったそこは、舞にとってこの上なく居心地の良い場所だった。可愛らしい容姿をしている舞は、過剰ともいえるほど男達に優しくされた。女子校出身だったせいで最初はどう対応すればいいか分からず困惑したが、すぐに慣れることができた。
 そのうちサークル内の誰かと付き合うことになるのだろうな、と舞はなんとなく思っていた。幸いにも女子のサークルリーダーに気に入られていたため、同性からの嫉妬に晒されることもなかった。舞は順風満帆の大学生活をスタートさせたのだった。
 後から考えれば満ち足りた日々だった。当時は幸せな毎日だと認識していなかったが、しかし楽しい日々だと思っていたのは確かだ。
 それなのに、まさか一ヶ月で大学生活が終わりを迎えることになるなんて……。
 いま眼前にいるのは、サークルの優しい先輩たちではなく、冷たい目をした女刑務官だった。両脇で監視の目を光らせているのは屈強な女警備員で、敵意に満ちた視線を舞に突き刺している。
「まあ、いいだろう」
 刑務官は面倒そうに椅子から立ち上がり、舞の後ろに回り込んだ。
 直立不動で立っている舞は、前方を向いたまま、目だけを動かして後ろの様子を窺おうとした。
「動くな!」
 刑務官の怒号と共に、乾いた音が鳴り、舞の尻たぶが弾けるように震えた。
 鋭い痛みが走り、舞は全身を硬直させた。
 尻を平手で叩かれたのだ。生まれて初めて受ける暴力だった。屈辱に涙が溢れてくる。

 もしも逮捕されることがなかったら、今頃は初体験を済ませていたかも知れない。いや、多分、高い確率でそうなっていただろう。目を瞑れば、気になっていた男の一人や二人はすぐに浮かんでくる。おそらくはそのうちの誰かが遠くないうちに彼氏となっていたはずだ。
 それほど急いで処女を捨てたかったわけではないが、決して興味がなかったわけでもない。裁判所で戦っていた時間は、本来なら恋人作りに費やされていたはずだった。サークルの中の誰かと付き合い始め、段階を踏んで身も心も結ばれるところまでいくのにも、充分すぎるくらいの時間だったと言っていいだろう。
 人生でもっとも輝いている時期をこんなところで無為に過ごさねばならないのかと思うと、絶望で頭がおかしくなりそうだった。
 事故の瞬間。せめてあの時、もっと冷静に対処していれば……。
 人を引き殺してしまったという事実にいきなり襲われた舞は、頭が真っ白になってしまい、最悪の行動を重ねに重ねてしまったのだった。

「上体を倒して足首を掴め!」
「え……」
「早くしろ!」
 後ろから浴びせられた刑務官の言葉は何かの間違いじゃないのか。舞はそう思って聞き返そうとしたが、再び臀部を襲った激痛に声が詰まった。
 警棒が強かに打ち付けられ、尻肉に深々とめり込んだ。警棒が離されても、くっきりとした赤い跡が尻肌に残った。
「上体を倒して足首を掴め!」
「は、はいっ」
 二度目の命令に舞は急いで従った。もしも悠長に戸惑ってなどいたら、また尻を強打されることだろう。目に見えている。この刑務官は、相手が命令を聞くまで何度でも同じ事を繰り返す。慈悲なんて微塵もない。ほんの短いやりとりで舞はそれを確信した。
 舞は、後ろの刑務官に尻を突き出すように背中を曲げて、足首を握った。
「足を開け!」
「う、うぅ」
 刑務官が股間を観察するつもりなのは明らかで、できるることならば抗いたい。その欲求は強烈だったが、尻肌を苛む熱い痛みが舞を押し留めた。
 舞は恥辱にまみれながら足を大きく開いた。男を知らない処女地がぱっくりと口を開けて、刑務官にその身を晒した。

闇金業者と人妻2

「舌を出しな」
「は、はい」
 幹男に顎を掴まれた状態で久美は口を開け、舌を伸ばした。
 間髪を入れず、幹男が舌に吸い付いてくる。幹男はわざと音を立てながら久美の舌を吸っていた。
 久美がじっとしていると、幹男は唇を合わせ、舌を差し込んできた。久美はそれに応えて、自ら舌同士を絡ませる。

 幹男の手が股間に潜り込んでくるのを感じながら、久美は目を瞑った。この男と肌を重ねるのは何度目のことになるだろう。八回目まではしっかり把握していたが、それ以降はどうも数字が曖昧になってしまっていた。

「んっ……」
 スカートの上から陰唇を刺激され、塞がれている久美の口から、不明瞭な声が漏れる。
 幹男は相当な経験を積んでいるらしく、巧みな手技で久美を翻弄してくるのだった。
 久美は快感を否定できない。セックスのたびに何度も絶頂させられていては、否定なんてできるはずはない。
 衣服越しにクリトリスを軽く擦られると、久美は早くもショーツを濡らした。今日も無様に潮を吹いてしまうのか……。屈辱だった。けれど、悲しくはならない。悲嘆に暮れる段階はとっくのように過ぎている。今は、この恥辱がなるべく早く終わることを願うばかりだ。
 どれだけ快楽を与えられようとも、自分は決してこんな行為を望んでいない。その矜恃だけが久美を支えていた。

 幹男は唇を離すと言った。
「脱げよ、奥さん」
「はい……」
 ショーツの湿り気をなるべく意識しないようにしながら久美はソファから立ち上がり、幹男の目の前で衣服を脱いだ。
 下着姿になると、テーブルに手を着いて、ソファに座ったままの男の顔に向けて尻を突き出した。
「さっそく濡れてやがるな」
 からかうように言って幹男はショーツの股間部分に触れた。クロッチにできている楕円形の小さな染みを、指先で撫でていく。
「はあっ……はぁっ……」
 たまらず久美は息を吐いた。何度も熱い息を漏らす。
 ショーツを挟んでいるとはいえ、陰唇をくすぐられては息を荒くするより他はなかった。
 楕円形の染みが広がり、指で覆い隠せないくらいにまでなると、幹男は愛撫を止めた。
「いつまで喘いでいるつもりだ。素っ裸になれ」
「分かり、ました」
 乱れた呼吸の中、久美はどうにか返事をした。

闇金業者と人妻1

「奥さん」
 と男は言って、女の肩を抱き寄せた。
 ソファに並んで座っていながらも、女の方は、表情を暗くしていた。
 対して男は上機嫌に頬を緩ませている。

 男は近藤幹男。闇金業者に身を置く41歳の中年である。
 体格は人並みだが、主に回収を担当しているだけあって、いかにもな強面だった。
 普段から声が大きいこともあって、意識せずとも相手を威圧するスタイルを確立しており、客から恐れられていた。

 肩を抱き寄せられている女もまた、近藤をひどく恐れていた。再三に渡る借金返済の要求は、女を震え上がらせ、無抵抗にさせていた。

 女はまだ25歳だった。宮西久美。地元の商業高校を出て就職し、3年後に結婚退職。以後は、夫の始めた小さな広告会社で経理を担当している。しかし経営は全く上手く行っておらず、たった5人の従業員に支払う給料と種々の経費をまかなうだけで精一杯となり、ここ数ヶ月はオフィスの賃貸料を丸々借金で補っていた。
 返す当ては到底なかった。久美は、自宅アパートまで週に一度だけやって来る幹男に身体を許すことによって、返済日を延ばしてもらっていた。問題の先送りに他ならなかったが、それ以外に対処法は浮かばなかった。

 最初は無理やり犯された。完全なレイプと言っていい。
 しかし、帰り際に男が残していった言葉通りに返済を猶予されると、次から迫られても、抵抗は形ばかりのものになった。
 数を重ねるたびに慣れていき、やがては習慣の一部にすらなったが、むろん嫌でたまらないことに変わりはなかった。
 夫に申し訳が立たないという気持ちもあったが、それ以上に、幹男という中年男に全く魅力を感じることができず、ゆえに幹男とのセックスはひたすらに苦痛だった。

 行為の前にシャワーを浴びることはせず、終わった後もそのまま帰って行くような、清潔感の欠落した男とは、握手することすら避けたいくらいだった。できることなら衣服の上からでも触れられたくはなかった。
 けれども、久美は耐えなければならない。握手どころか、身体中のどこを直接に触られても、一切の文句を言うことはできないのである。
 それだけでなく、久美の方からも男に触れなくてはならなかった。もちろん、手で触れるだけでは許されない。幹男に言われれば、悪臭を放つ陰茎や、充分に拭き取られていない肛門に、舌を這わせなければならないのだ。
 夫の陰茎を口で愛撫した経験はあったので、初めて幹男にフェラチオを強要された時は、なんとか涙をこらえることができた。
 だが、肛門を舐めさせられた時は、とても我慢できず、涙で頬を濡らし、嗚咽で肩を震わせ、泣き声を漏らしながら、必死の思いで舌を動かしたのだった。
 最初は、とても自分からは動けず、幹男に何度も怒鳴り付けられ、髪を引っ張られることによって、ようやく舌先を肛門に触れさせることになった。そこから舌を動かすことはできたのだが、久美の脳裏には、吐き気との戦いばかりが印象に残っていた。どのように舌を動かしたのかについてはあまり覚えていなかった。
 しかし、次からは抵抗も薄れ、舌の動きにも、幹男はあまり不満を訴えなかった。どちらかと言うと満足げですらあった。
 慣れとは恐ろしいもので、久美は、3回目、4回目ともなると、もはや陰茎を咥えるのも肛門を舐めるのも大差なく感じられるようになった。
 もちろん、幹男に奉仕することは屈辱的であり、強烈な不快感を伴うことには全く変わりがなく、許容できることではなかったが。

エッチ体験談・人妻アナル不倫

 私は専業主婦をしています。人妻です。旦那と結婚したのは2年前です。まだ子供は出来ていませんが、今のところ、幸せな家庭を築けていると思います。
 しかし私は夫を裏切ってしまいました。同窓会で再開した元クラスメイトと不倫をしてしまったのです。相手はKくんでした。イケメンでスポーツが得意で、明るくていつもクラスを沸かせていたという、誰もが認める人気者です。女子はみんなKくんに憧れていました。私も例外ではありません。
 結婚した今となっては旦那の方が好きだと断言できますが、かつての憧れだった男子に言い寄られては、あまり無下にもできませんでした。それで「落とせる」と思ったのか、Kくんは半ば強引に私をラブホテルに連れ込んだのでした。まあ、強引と言っても、私もほとんど抵抗しなかったので、事実上は合意の上でしたが……。
 後で知ったことですが、Kくんは、人妻を寝取ることに悦びを見出していました。他人の嫁を汚すことで優越感を得られるのだとか。まったく最低のクズ野郎ですが、私は見事に釣られてしまったというわけです。
 部屋でふたりっきりになって落ち着いてみると、自分がとんでもないことをしようとしているのだと気付いた私は、慌てて帰ろうとしました。しかしKくんがみすみす帰らせてくれるはずはありません。男の性質として、いちど火がつくと止まれない、というのもあるようですし。そこで、いくらかの問答の末、フェラチオで終わりにする、ということで話が付きました。旦那のことを思うとそれもしたくはなかったのですが、ラブホテルまで付いてきておいて、後から「やっぱり帰る」では、あまりにも自分勝手です。その程度の妥協は仕方ないか、と自分に言い聞かせました。

 順番にシャワーを浴びた後、Kくんはベッドの上で仰向けになりました。私は横から彼の股間に顔を埋めました。
 彼のペニスは夫と同じような見た目でしたが、咥えてみると色々な差異がありました。亀頭の弾力があまりなかったり、裏筋がくっきりしていたり。Kくんの勃起の方が全体的に硬い印象もありました。
 まあ、それよりもなによりも、クラスの女子みんなが憧れていたKくんのオチンチンを咥えているのだという感慨の方が、ずっと強く印象に残っています。正直なところ、欲情しました。私は別に淫乱ではないので、フェラチオで感じた経験なんてなったのですけれど、この時ばかりは股間が疼きました。ペニスを咥えたまま、空いている手でクリトリスを慰めたいと思いましたが、さすがにそれは我慢しました。
 Kくんは、その美貌を活かして相当に女性経験を積んでいるようで、私のフェラチオでは到底 満足してもらえませんでした。
 顎が疲れ切ってしまい、もうこれ以上はできないという段になると、Kくんはセックスの要求をしてきました。私が断ると、妥協案としてアナルセックスを提案してきました。
 アナルなら挿入しても不倫にはならない、という理屈でした。冷静に考えると、いやそれもどうなんだ、って感じですけれど、この時の私は、憧れのKくんとラブホテルに入り、疲れ果てるまでフェラチオをしたばかりです。なんとなく、それで済むのなら、と考えてしまいました。

 Kくんはアナルセックスにも慣れていて、私のお尻を丹念にほぐしてから挿入してきました。仰向けの状態で正常位です。
 ローションをたっぷり塗られた肛門は、彼のペニスを抵抗なく受け入れました。快感はありませんでしたが、痛みもありませんでした。彼が腰を前後させても、うっすらと排泄欲を感じるだけで、ペニスが出入りしていることが信じられないくらいでした。
 Kくんは、私のアナルを突きながら、たまにクリトリスを指で弄ってきました。アナルの方は特に気持ち良くなりませんでしたけれど、クリトリスの快感は、かつて感じたことがないほどでした。相手がKくんだからなのか、アナルで不倫をしているという倒錯的な状況のせいなのか、自分でもよく分かりません。
 途中で体位を変え、四つん這いになった私をKくんが後ろから突いてくるようになっても、クリトリスへの刺激は断続的に続けられました。クリトリスに触れるたびに肛門がキュッと締まる、とKくんは言っていました。
 その時に1回だけイッてしまいました。なるべく悟られないように達したつもりでしたが、肛門の締め付けがそれまでよりも強くなったのか、Kくんに気付かれてしまいました。「今、イッたでしょ?」なんて揶揄するような言い方をされて、私は顔が熱くなりました。
 また正常位に戻ってKくんはラストスパートを掛けてきました。激しい動きで腰をぶつけてきます。通常のセックスならば、膣壁を強く突かれて私も相応の快感を味わっていたでしょうが、アナルセックスではそんなこともなく、ただ身体を揺さぶられて、少しの息苦しさを感じていただけでした。
 アナルに咥え込んでいるはずのペニスの感触はあまりしませんでしたが、射精された感覚はわりとありました。腸内でペニスが脈打っているのも分かったし、熱い粘液が噴き出しているのも分かりました。射精が始まった途端にKくんが腰の動きを止めたというのも少なからず関係しているのかもしれません。

 Kくんとラブホテルを出た直後、私は不倫を後悔しました。外の空気に触れて、自分のしたことの愚かさをようやく実感したのです。
 もう二度と彼とは会わないようにしよう。そう思ったのですが、しかし半月後にはまたラブホテルに行き、アナルセックスをしてしまいました。肛門を突かれながらクリトリスを刺激される快感を、どうしても忘れられなかったのです。単純な快楽だけなら、性器を使った通常のセックスの方が上だと思いますが、どうも背徳的な行為に嵌ってしまったようです。
 人妻好きのKくんとは今でも月に一度は会っています。
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