闇金業者と人妻1

「奥さん」
 と男は言って、女の肩を抱き寄せた。
 ソファに並んで座っていながらも、女の方は、表情を暗くしていた。
 対して男は上機嫌に頬を緩ませている。

 男は近藤幹男。闇金業者に身を置く41歳の中年である。
 体格は人並みだが、主に回収を担当しているだけあって、いかにもな強面だった。
 普段から声が大きいこともあって、意識せずとも相手を威圧するスタイルを確立しており、客から恐れられていた。

 肩を抱き寄せられている女もまた、近藤をひどく恐れていた。再三に渡る借金返済の要求は、女を震え上がらせ、無抵抗にさせていた。

 女はまだ25歳だった。宮西久美。地元の商業高校を出て就職し、3年後に結婚退職。以後は、夫の始めた小さな広告会社で経理を担当している。しかし経営は全く上手く行っておらず、たった5人の従業員に支払う給料と種々の経費をまかなうだけで精一杯となり、ここ数ヶ月はオフィスの賃貸料を丸々借金で補っていた。
 返す当ては到底なかった。久美は、自宅アパートまで週に一度だけやって来る幹男に身体を許すことによって、返済日を延ばしてもらっていた。問題の先送りに他ならなかったが、それ以外に対処法は浮かばなかった。

 最初は無理やり犯された。完全なレイプと言っていい。
 しかし、帰り際に男が残していった言葉通りに返済を猶予されると、次から迫られても、抵抗は形ばかりのものになった。
 数を重ねるたびに慣れていき、やがては習慣の一部にすらなったが、むろん嫌でたまらないことに変わりはなかった。
 夫に申し訳が立たないという気持ちもあったが、それ以上に、幹男という中年男に全く魅力を感じることができず、ゆえに幹男とのセックスはひたすらに苦痛だった。

 行為の前にシャワーを浴びることはせず、終わった後もそのまま帰って行くような、清潔感の欠落した男とは、握手することすら避けたいくらいだった。できることなら衣服の上からでも触れられたくはなかった。
 けれども、久美は耐えなければならない。握手どころか、身体中のどこを直接に触られても、一切の文句を言うことはできないのである。
 それだけでなく、久美の方からも男に触れなくてはならなかった。もちろん、手で触れるだけでは許されない。幹男に言われれば、悪臭を放つ陰茎や、充分に拭き取られていない肛門に、舌を這わせなければならないのだ。
 夫の陰茎を口で愛撫した経験はあったので、初めて幹男にフェラチオを強要された時は、なんとか涙をこらえることができた。
 だが、肛門を舐めさせられた時は、とても我慢できず、涙で頬を濡らし、嗚咽で肩を震わせ、泣き声を漏らしながら、必死の思いで舌を動かしたのだった。
 最初は、とても自分からは動けず、幹男に何度も怒鳴り付けられ、髪を引っ張られることによって、ようやく舌先を肛門に触れさせることになった。そこから舌を動かすことはできたのだが、久美の脳裏には、吐き気との戦いばかりが印象に残っていた。どのように舌を動かしたのかについてはあまり覚えていなかった。
 しかし、次からは抵抗も薄れ、舌の動きにも、幹男はあまり不満を訴えなかった。どちらかと言うと満足げですらあった。
 慣れとは恐ろしいもので、久美は、3回目、4回目ともなると、もはや陰茎を咥えるのも肛門を舐めるのも大差なく感じられるようになった。
 もちろん、幹男に奉仕することは屈辱的であり、強烈な不快感を伴うことには全く変わりがなく、許容できることではなかったが。
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