女子大生アナル検査3 ガラス棒

女子大生アナル検査3 / 空想地帯 SM官能小説

「よし、膣には何も隠していないな。次は肛門の検査だ」
 尻穴に指を突き当てられ、舞は全身を硬直させた。
 まさかそんなところにまで指を入れられるだなんて思いも寄らなかった。肛門はただの排泄器官であり、それ以外の用途なんてあるはずはない。ましてや、凶器や薬を隠し入れておくなど、そんなことは有り得ない……。
 舞はそう思い、言葉にせずにはいられなかった。
「そ、そこには何も隠してません。本当です。だからやめてくださいっ」
「馬鹿か、お前」
 刑務官の呆れたような声に、舞は自分の行動の愚かしさを悟った。誰が私の言葉など信じるというのか。言い訳をすればするほど疑いは深まっていくものなのだ。これまで散々に思い知ってきたはずなのに……。
「大人しそうな顔をして、ケツ穴にブツを仕込んでるのか? これは念入りに調べる必要があるな」
「そ、そんなっ!?」
 肛門に押し当てられている刑務官の指に力が入ったのを感じて、舞の口から恐怖に満ちた声が漏れる。
「あうう、ああぁ」
 排泄口に突き立てられている人差し指が圧力を徐々に強めてきた。刑務官が力を込め出したのだ。
 小さく縮こまっている蕾を今にも貫通されそうな気がして、舞は必死になって尻穴を収縮させた。アヌスを閉ざしただけで肛門検査を拒み続けることなど現実的ではないが、唯々諾々と直腸内を蹂躙されるまま黙っていることはできなかった。
「う、ううう!」
 菊座はそれほど強く突かれているわけではないため、力を入れて尻穴を窄めているだけでも、なんとか侵入を阻むことが可能だった。けれどもずっとそうしていられるはずはない。長く菊門を引き締めているのは難しく、気を抜けばすぐにでも緩んでしまいそうだった。
 しかも刑務官は明らかに手加減をしている。
「ほら、どうした? もっと尻の穴を締め付けないとブチ破るぞ」
「あ、あうう」
 刑務官の人差し指がごくわずかに沈み、その分だけ舞の肛門が口を開いた。背筋がヒヤリとした。慌てて尻に力を込め直して防備を固める。
「なかなか頑張るな。だがまだ終わりじゃない。もっと気張り続けないとすぐにでも押し負けることになるぞ」
 楽しそうな声だった。懸命になって尻穴を窄めている舞の姿を嘲笑っているのだ。刑務官がその気になっていたら、最初に人差し指を肛門に突き立てられた時点であっさりと肛蕾を貫かれていただろう。
「ううぅ」
 それでも舞はアヌスを引き締め続けた。どのみち耐えられないだろうことが分かっていても、諦めることはできなかった。直腸検査への嫌悪感はそれほど強い。
 排便のためにだけ存在する部位を穿り返されるだなんて、人としての矜持を踏みにじられるのにも等しい、と舞は思った。長い歴史を経て人権が尊重されるようになった現代社会において、こんなことが許されて良いのだろうか。いくら検査のためとは、ここまでする必要が本当にあるのだろうか。様々な思いが心中に膨れ上がる。
「く、う」
 だんだんと尻穴を窄める力が弱まってきた。限界が来たのだ。舞の意志に反して肛門が勝手に緩もうとする。必死に収縮させようとするが弛緩は止まらない。
「おい、尻穴から力を抜いていいのか? 入ってしまうぞ?」
「ひいぃ」
 刑務官の指先が、菊皺の中心に少しずつ消えていく。愛液で濡れているせいか、いったん流れができると、指は難無く侵入を果たしてしまう。  しかし進入速度は緩やかだった。刑務官は意識的にゆっくりと舞のアヌスを掘り進めているようだった。舞の恥辱を煽っているのだ。
 着実に人差し指が埋没していき、舞は緊張に息が詰まりそうになった。指なんて入れて本当に大丈夫なのか。自分の排泄器官がどうにかなってしまうのではないか。不安が舞を襲う。今までの人生で直腸は数え切れないほどの排出を繰り返してきたが、外から異物を受け入れるのはむろんこれが初めてのことだった。
「どうやら切れたりする心配はしなくても良さそうだな。便秘気味の女だと最初から肛門が傷付いている場合もあるが、お前の場合はそんなこともないようだ。もう少し念入りに調べてやろう」
「うぐぐ!」
 第一関節まで埋まった指は、そこで止まることなくさらに進み、第二関節までもが姿を消した。挿入はまだ続く。
「あ、あうぅっ」
 舞は掠れた悲鳴を上げた。直腸粘膜を擦り上げられることによって、尻穴に指をねじ込まれているという現実を、嫌でも実感させられる。
 顔から急速に血の気が引いていった。それが自分でもはっきりと分かる。心臓は破裂しそうなほど激しく鼓動していた。排泄口に他人の指が埋まっていく感覚に虫酸の走り、息苦しさすら覚える。官能とは程遠い感触だった。
 人差し指を根元まで差し込まれ尻穴が、強烈な異物感に反応して何度も収縮する。
 舞は、目を見開きながら荒い呼吸を繰り返した。こめかみを汗が垂れ落ちる。額にはびっしりと脂汗が浮かんでいた。
「ふむ」
 刑務官は指をすっぽりと埋めたまま長い間 静止していた。腸内に隠している物がないかを指先の感覚から探っているのだろう。
「奥の方に何かあるような気がするな」
「ええぇ?」
 身に覚えのない疑いを掛けられて頭が混乱しそうになったが、すぐに気付いた。刑務官が感じている物の正体。舞は従来から便秘気味だったが、逮捕されてからはストレスのせいかより酷くなっていた。便通があったのは三日前だろうか。今頃は水分を失った固形物が直腸の入り口付近にまで下りてきていても不思議ではない。
 しかしそれを言う気にはなれなかった。恥ずかしいというのもあるが、申し出たところで刑務官が信じてくれるとは思えない。あるいは知っていてとぼけているのかもしれないが、だとしたら、余計に何を言っても無駄だろう。
「おい、本当は隠してるものがあるんじゃないのか? どうなんだ?」
 ねちねちとした言い方だった。
 舞が黙っていると、刑務官は鼻を鳴らした。
「黙秘か。まあいい。奥まで調べてやるだけだ」
 吐き捨てるように言って、人差し指を引き抜いていく。
「あ、あうう」
 腸粘膜を擦られた舞は、排便しているような感覚に狼狽えた。腸の中に溜まっている物が刑務官の指と一緒に出ていってしまいそうな気がした。
 人差し指が抜け切ってもそれが錯覚だったとは思えず、お漏らしをしていないかと不安になった。刑務官が何も言ってこないことを確認して、指が抜けただけなのだとようやく判断することができた。
「次は、これだ」
 刑務官は舞の肛門から指を離し、代わりに細いガラス棒を押し当ててきた。
 肛門表面に感じる冷たい感触に舞は目眩がしそうになった。これからこんな無機質な物で尻穴を掘削されるのだろうか。刑務官の慈悲に縋り付きたくなる。
「や、やめてください。本当に何も隠していないんです……」
「そんなことは調べれば分かる」
 人差し指が一度入っただけでまだ大してほぐれてもいない直腸内に、ガラス棒が回転しながらねじ入れられていく。
 棒自体は全く濡れていないが、すでに舞の肛門は先ほど指を入れられた時に自身の愛液を塗り込められていた。尻穴を窄めても細いガラス棒の侵入を押し留めることは全くできない。
「は、はおぉ」
 舞は動物のような呻き声を漏らした。生まれてから一度も発したことのないような声だった。英会話サークルの男達が聞いたら耳を疑うことだろう。声だけ聞かされたとしたら、大人しく控え目な舞の口から出た言葉とは信じられないに違いない。
 ガラス棒は無遠慮に奥へと進み、容赦なく腸壁を抉り込んでいった。棒自体は指よりもずっと細いため、それほどの痛みは感じない。けれども、背筋をぞわぞわと駆け上がる不快感に、足首を掴んでいる手の震えが止まらなかった。
 刑務官がどこまで腸道を貫くつもりなのか分からないため、直腸のさらに奥まで責め抜かれたりはしないだろうかと、余計な心配までしてしまう。
 腸内のどの辺りまで侵攻されても傷が付かないのかは知らないが、刑務官はちゃんとそういう知識を有しているのだろうか。限界を超えて腸奥を貫かれて、取り返しの付かない傷を負わされる可能性を危惧せずにはいられない。
 今まで数え切れないほどの囚人に対して肛門検査を行ってきたであろう刑務官がそうそう間違いを犯すはずはない、と思いたいが、別に彼女たちは医者でもなければ看護士でもない。それほど人体を熟知しているというわけではないだろう。それを自覚して慎重な検査を心掛けてくれるのなら問題はないけれど、囚人をいたぶることに悦びを覚えている節のある刑務官たちを信頼することなんて、できるはずはない。
 ガラス棒は、人差し指の時よりもずっと深い位置にまで沈み込んでいった。
「あぁ、もう、無理です。それ以上は……」
「何を言っている。まだ入るだろう」
「そんな……」
 恐ろしくて瞳から涙が溢れ出た。もうどれだけガラス棒が埋没したのか分からない。実際には違うのだろうが、体感では一メートル以上は送り込まれているような気がした。
 腹の中でガラス棒が奥へ奥へと押し通っているのを感じる。感じ取れてしまう。腸内の感覚はひどく薄いので、感じ取っている気になっているだけかも知れないが、それによって、直腸を掘り進まれているイメージが舞の脳裏に鮮明な映像となって浮かんでしまう。
「あ、ああ」
 直腸を突破されてしまうのではないかと思えるほど深々と奥まで突き込まれ、ガラス棒の動きがやっと止まった。
 ほっとして息を吐きたいところだったが、刑務官は不満げな声を上げた。
「何も隠してないじゃないか。思わせぶりなことを言って、よくも余計な手間を掛けさせてくれたな」
「わ、私は何も……」
「チッ!」
 刑務官は舌打ちしながらガラス棒を乱暴に引き抜き始めた。
「んんううぅ!」
 腸粘膜を擦り上げられていると、排便時に似た感覚が込み上げてくる。便を漏らしてしまいそうな気がして舞は咄嗟に肛門を窄めた。
 直腸がガラス棒を食い締める。
「力を入れるな! 懲役囚の分際で、いつまでも恥じらってるんじゃない!」
 無意識のうちに引き締めていた尻たぶに刑務官の平手が飛んだ。
「あううぅ」
「動くな! ジッとしていろ!」
「く、ううっ」
 先端まで出掛かっていたガラス棒が再び腸奥に分け入ってきた。腸内を嬲られる恥辱に姿勢が崩れそうになる。
「ど、どうして、こんなっ!」
「黙っていろ!」
「あ、あぁ、あうっ」
 刑務官はガラス棒をゆっくりと上下させた。
 舞の腸内が無慈悲に掻き乱されていく。もう腸内に隠している物がないことは刑務官も分かったはずなのに、何故か執拗にガラス棒が出し入れされる。
 刑務官の意図が理解できなかった。まさか、尻穴から何も見付からなかった腹いせだろうか。
 異物の侵入を感知して、腸粘膜から少しずつ直腸液が滲み出す。それにより摩擦が減少し、ガラス棒の出入りがだんだんとスムーズになっていく。
 とはいえ腸液の量などたかが知れている。指で塗り込められた愛液と合わせても、充分に濡れているとは言い難い。
 にもかかわらず、ガラス棒の出し入れは着実に勢いを増していった。滑りが良くなったからではなく、刑務官が無理やりに力を込めているからだった。
 腸奥から入り口近くまで、ガラス棒の先端が一息で引き抜かれる。
 そのうちに直腸粘膜が熱を持つようになってきた。無理に擦られて腫れ上がり始めているのだ。
 ピストン運動はさらに荒くなっていく。鋭い痛みが排泄口の浅瀬に走った。
「い、痛い、痛いです!」
「これくらいで泣き言を漏らすな、懲役囚が! ケツ穴が擦り切れても文句が言えない立場だということを思い知れ!」
 刑務官は舞に罵声を浴びせながらガラス棒を激しく抽送した。

「ああぁっ、いやぁっ!」
 舞は大きく口を開けて喉を震わせた。頭を占めるのは尻穴の激痛。恥じらっている余裕など微塵もない。
 肛門を奥深くまで一気に貫通され、すかさずまたガラス棒が引き出される。肛門粘膜に焼け付くような痛みが広がっていた。  そのうち、猛烈な勢いで続く肛門責めに便意が込み上げてきた。それも抗いようがないほど強烈な感覚だった。あれほど辛かった痛みすら一時的とはいえ意識から外れる。一瞬、また直腸の撹拌を身体が勘違いしているのかと思ったが、反応しているのは腸壁だけではなかった。腸全体が排泄に向けて轟き出していた。
「や、やめてください、漏れちゃいます、だからぁっ!」
 涙ながらに懇願する。とても長くは持ちそうになく、形振りを構ってはいられなかった。
「漏れるって何がだ!? 何が漏れるんだ!? はっきりと言え!」
 刑務官はガラス棒の出し入れを止めることなく問い質してきた。
「あ、あううっ!」  これ以上は恥ずかしくて言えない、と思ったが、迫り来る崩壊の時を前にして羞恥心は吹き飛んだ。
「ウンチですっ! ウンチが漏れそうなんですぅっ!」  泣き声を張り上げる舞。口にするのも恥ずかしいこんな言葉を絶叫したのはもちろんこれが初めてだ。
「なんだ、糞がしたいのか? だったら我慢することはない。存分に漏らせ。糞の後始末は他の囚人にやらせるから、気兼ねすることはないぞ。どうせ糞便を垂れ流すまで検査は終わらないんだ。浣腸の手間が省けて良い」
「う、嘘……」
 いくらなんでも排泄くらいはトイレでさせてくれるだろうと、舞の常識的な思考はそう信じて疑わなかった。それをあっさりと覆されてしまい、驚愕に耳を疑った。
「ト、トイレに、お願いしますっ!」
「駄目に決まっているだろう、馬鹿が! ぐだぐだ言ってないで、今すぐ脱糞しろ!」
「嫌っ、いやああぁっ!」  絶望に押し上げられ舞は悲痛な叫び声を上げた。  ここに来る前に過ごしていた拘置所では、与えられた個室に便器が剥き出しになって設置されていたが、刑務官の目から隠れて排泄することを許されていた。巡回の時に便器にしゃがまなければいいのだから簡単なことだ。
 舞が本来 移送されるはずだった刑務所に至っては、独房の監視窓と便器の間が木板で仕切られているらしい。肩や顔は見えてしまうようだが、仮に運悪く排便中に刑務官が通り掛かっても、肝心なところは隠していられるようにという配慮がなされているのだ。
 しかるにこの刑務所はどうか。仕切りどころか、今ここで無理やり排泄させられようとしている。移送されてきてからもう何度目のことになるか分からないが、舞は己の不運を呪わずにはいられなかった。
 やがて、便意に加えて尻穴の激痛まで戻ってきた。直腸粘膜を激しく擦り上げられる痛みによって、肛門を窄めることができなくなる。もはや排便を止める術はなく、腹を下っていく固形便の感覚に舞はただ慄くしかなかった。
「ああぁっ、も、もうっ、んぁぅっ!」
 切羽詰まった声を上げながら全身を震わせる。すぐそこに迫っている決壊の瞬間に怯え、顔が引きつった。
 硬くなった汚物が舞の意志に反して腸内から出て行こうとする。
「い、いやあぁああっ!」
 舞は思わず足首から手を離し、その場にしゃがみ込んだ。
 排泄口から固形物がゆっくりと顔を出してくる。
「あああぁっ、見ないでください!」
 極限の恥辱に頭の中が真っ白になった。
 一度勢いが付くと排泄を止めることはできなかった。尻穴を窄めようとしてしても、わずかに括約筋が引き締まるだけで、またすぐに緩み、排泄物を吐き出してしまう。
「ポロポロ出てくるじゃないか。どれだけ腹の中に溜め込んでいたんだ? えぇ、おい」
「い、言わないでください」
 肛門から捻り出されてくる大便は、便秘中のためか水分のほとんどを失い硬くなっていた。小さな塊がいくかに分かれて次々と吐き出されてくる。
 排便が進むにしたがって、硬い固形便から次第に水分を含んだ軟便へと変化していった。
 肛門が収縮して、再び広がる。そのたびに、ほぐれた排泄物が溢れ出る。時には放屁が漏れることもあり、舞は心臓に氷を押し付けられたかのような感覚を味わった。
「あ、ああぁ……ああう……」
 いつしか舞の顔は涙でぐちゃぐちゃになっていた。これほどの辱めを受けるくらいなら死んだ方がまだマシではないかとさえ思えた。
「なんて臭いだ、おい。お前は自分の出したものだから気にならないかも知れないが、他人の糞を嗅がされるこっちの身にもなれよ」
「ううぅ」
 刑務官の言葉は、傷心の舞の胸をさらに深く抉り取っていった。舞の両脇で監視している警備員の失笑が聞こえてきて、余計に惨めな気持ちになる。
「いつまで糞を垂れているつもりだ? 検査に必要な分量はもう満たしている。さっさと止めろ」
「ま、まだ、出て……」
 止められるものならとっくに止めている。舞の意志とは関係なく肛門は軟便をひり出していく。
 勢いの弱い排泄のため、直腸内が空になるまで長い時間が掛かった。小さな放屁音を何度も鳴らしながら排便が続いた。

 五分以上の時間を掛けてようやく尻穴が閉じ切ってくれた。
 刑務官は、大便の中に異物が混入していないのを確認すると、濡れ雑巾で舞の肛門を無造作に拭った。
「よし、検査は終わりだ! さっさと立て!」
「うぅ、は、はい」
 舞は肩を震わせながら直立の姿勢を取った。まだ尻穴がを持って痛みを訴えている。出来ることならその場に蹲りたかったが、刑務官に対する恐怖の方がそれを許さなかった。
「お前はこれから結城舞ではなく、313号となる。自分の番号をよく覚えておけ」
「はい……」
 名前でさえ呼んでもらえないという事実に目の前が暗くなった。
 自分が移送されるべきはずだった刑務所では、囚人のことを名前だけでなく「さん」と敬称まで付けて呼ぶらしい。ひとりの人間として尊重し、社会の一員であることを自覚させるのが目的だという。それゆえに刑務官と囚人は強固な信頼関係で結ばれる。今の舞には理想郷のようにすら思えてくる環境だった。
 ここでは信頼などという言葉は存在しない。あるのは刑務官による支配のみ。入所してすぐに行われるこの身体検査には、刑務官と囚人の力関係を叩き込むという意味合いも強く含まれているのだろう。
 確かにその効果は絶大だった、と舞は思う。入所前とは違い、刑務官の言うことに逆らおうなんて気は消し飛んでいた。反抗的な態度を取ろうとは最初から思っていないが、それでも多少の我が儘くらいは許されるのではないかという甘い考えは捨て切れていなかった。自分は本来ならここに来るべき人間ではない。その意識が、自分は特別扱いされて然るべきだという思考へと進んでいた。もちろん無意識下でのわずかな気持ちではあるが。
 そういう馬鹿な思い上がりを捨てさせるための身体検査なのだ。実際に受けてみて舞はそれがよく分かった。膣穴を調べられ、尻穴を穿られ、挙げ句の果てに排泄姿まで見られ、胸の内にあった甘い気持ちは粉々に打ち砕かれてしまった。
 舞とは少し事情が違うだろうけれど、これまでの囚人たちも同じような気分を味わってきたに違いない。塀の外でどんな生活を送っていようとも、ここではケツの穴まで無防備に晒さなければならない立場なのだ。
「声が小さいぞ、313号!」
「は、はいっ!」
 舞は直立不動のまま慌てて声を張り上げた。
「よし、ではすぐにこれを着ろ」
「はい!」
 刑務官から簡素な下着を与えられた。白の下地に無数の染み。明らかに使い古された形跡がある。別の囚人が履いていたものなのだろう。
 潔癖症というわけではないが、どちらかいえば綺麗好きの部類に属する舞にとっては、酷いというのも生温いような仕打ちだった。
 いくらなんでも下着を使い回さなければならないという決まりはないはず。おそらく、予算にはしっかりと支給品の費用を計上しているのだろうが、実際にはそれらが仕入れられることはなく、刑務官の懐に経費が流れ込んでいるのだ。
「…………」
 分かってはいても文句など言えるはずもない。舞は黙って汚れたショーツに足を通した。これから始まる刑務所暮らしでは、この程度の屈辱なんていくらでも待っていることだろう。
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