全裸恥辱挨拶

 高校時代、私は空手部に所属していました。練習も上下関係も厳しい部でしたが、それよりも、武道系の部活による合同集会が一番きつかったです。
 学期ごとの終業式が終わった後、空手部・剣道部・柔道部が体育館に集まり、活動報告やら今後の抱負やらを述べ合うのですが、一年生だけは壇上で横一列になります。各部の合計で、一年生は20人くらい居ましたが、みんな全裸です。男子も女子も関係ありません。
 上級生たちは、ちらちらと壇上を見たりする人も居るものの、おおよそは真面目に話し合いをしていました。

 1時間くらいでそれが終わると、上級生30人くらいがぞろぞろと一年生の間近に集まってきます。
 一年生は、壇上から先輩たちを見下ろす立ち位置に居るわけですが、なにしろ自分たちは全裸で、先輩たちは普通にジャージを着ているので、とてもではないが精神的優位には立てません。むしろ震えています。
 先輩たちは罵声を上げ始めます。
「震えてんじゃねえぞ!」
「真っ直ぐ立ってることもできねえのか!?」
「泣くな! 剣道部に恥を掻かせる気か、お前!」
 一年生が、最初にこの恥辱を味わうのは、七月の終業式の日です。ようやく部活にも慣れてきたかと思った矢先の仕打ちに、女子だけでなく男子まで涙を堪えきれません。
 この時まで、体罰を受けることはあっても、全裸を強制されることなんてなかったのです。合同集会まで取ってあっただけなんですけれど、一年生にそんなことは分かりません。初めての羞恥罰にショックを受けるばかりです。

 先輩たちが一通り罵声を浴びせ終えると、今度は、一年生たちが大声を出します。
「一年の大垣美琴です! これからもよろしくお願いします!」
「恥を捨てて頑張ります! 今後ともご指導願います!」
 先輩たちに、とにかく自分で考えて挨拶し続けろ、と言われて、一年生たちは、考えつく限りの言葉を尽くします。
 先輩たちからすれば、挨拶の内容なんて何でもいいんです。どれくらい声が出せているか。それだけしか見ていません。
 喉が嗄れてからが本番です。全裸で並ばされ、ガラガラ声で叫び続け、頭を真っ白にする。そうすることによって、何かしら得るものが有るような無いような気がします。まあ、ぶっちゃけ、意味があることではありません。ただの下級生イジメです。体育会系では、イジメを伝統と言い換えることができます。なので問題はないのです。伝統ですから。

 一年生たちは、男子も女子も半分くらいは泣いているわけですが、それでも自分らなりに必死で叫んでいます。
 しかし先輩たちは怒鳴り付けます。
「やる気がないのならやめちまえ!」
「挨拶もできないんなら、うちの部に帰ってこなくてもいいよ!」
「全然聞こえねえぞ! 声出せ! 声!」
 この程度の罵倒なら、まだいい方です。
 だんだんヒートアップしてきた先輩たちは、全裸の一年生たちの身体的特徴をあげつらい始めます。
「一番 胸がでかい癖に、一番 声が出てねえぞ、新田!」
「ガキじゃねえんだから、ちゃんと背筋を伸ばせ! 下の毛はしっかり生えてんだろうが!」
 一年生女子は誰もが涙ぐみます。
 男子もまた恥辱に耐えなければなりません。
「でかい図体して包茎かよ、遠藤! だから声が出ないのか!? おい!」
「なに泣きそうになってんだ! ナニは立派なんだから、堂々としてろ!」
 武道系の部活に入るくらいですから、一年生と言えども、基本的には強靱な精神を持っているはずですが、この時ばかりはみんな顔が真っ赤です。
 壇上での全裸挨拶は、夜遅くまで続きました。

 外が真っ暗になると、一年生たちは体育館の外に出されます。全裸のままです。
 他の部活はとっくに終わっていて、武道系以外の生徒なんて誰も居ないのですが、それでも一年生たちは周りをキョロキョロと不安げに見回します。校外は田んぼだらけで、目撃者が出てくる心配はほとんどないのですが、だからといって安心できるものではありません。
 男子は股間を隠しながら、女子は胸と股間を隠しながら、一年生たちはグラウンドを走らされます。素っ裸ですから、男子はペニスが振り乱れることになりますし、女子は胸が弾みまくりです。まあ、暗くてほとんど見えませんが。
 散々走らされて、フラフラになったところで、先輩から「ラスト1周」とお声が掛かります。
 一年生たちは、また大声で挨拶をしながらグラウンドを走り抜きます。
 そうしてようやく合同集会が終わるのです。

 先輩たちは、一年生を放置してさっさと引き上げていきます。
 グラウンドに残された一年生たちは、疲労のあまり、その場に崩れ落ちます。全裸ですから、グラウンドにへたり込んだりしたら、身体中に土が付いてしまうのですけれど、気にしている余裕はありません。長々と声出しをさせられた上に、全力ダッシュを延々とさせられたのです。恥ずかしい箇所を隠すこともせず、荒い息を吐くばかりです。
 深夜の校庭に全裸の高校生男女が20人も倒れ込んでいる状況は、異様としか言い様がなかっただろうと思います。
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