スパルタ塾で受けたお尻叩きの思い出1

 小学六年生の夏。僕は、厳しいことで有名なスパルタ学習塾の合宿に参加した。私立の中学に通うためだ。
 クラスの中で中学受験をするのは、僕と、あと立花さんという女子だけだった。
 勉強ができるだけの根暗男子の僕とは違い、立花さんは明るくて運動もできて、クラスでは学級委員を務めていた。
 全くタイプの違う僕たちは、お互いが同じ私立を受験すると知っていながら、ほとんど接点を持たなかった。
 スパルタ学習塾の合宿で鉢合わせした時も「あ、来てたんだ」と立花さんに言われ、僕が「うん」と返すと、それ以降に会話をすることはなかった。
 他の塾生の話から、どうやら立花さんは元からこの塾に通っていたらしいことが分かった。そんなことすら知らないほど僕たちは疎遠だった。
 塾は山奥の合宿所で行われた。中学校や高校の林間学校として主に使われているらしい。
 バス停まで山道を歩いて30分以上は掛かる場所なので、なかなか逃げ帰ることもできない。夜にこっそり抜け出そうとしても、小学生の足では辿り着けるかどうか分からない。だからこそここが選ばれたのだろうと思う。
 合宿所に着くとさっそく授業が開始されたわけだけど、座る姿勢をいきなり大声で注意されて僕は震え上がった。大人がブチ切れているとそれだけで僕たち子供は恐ろしくてたまらなくなる。着いてから10分ほどで、とんでもないところに来てしまった、と思った。
 授業では次々に生徒が指名され、問題の答えを求められた。非常に高度な問題ばかりだったので、間違える生徒が続出し、そのたびに講師は鞭を使った。鞭と言うと大袈裟に聞こえるかもしれない。実際は前腕くらいの長さしかなくて、合唱の指揮棒みたいなものだった。本当にそうだったのかもしれないが、かなり酷使しても全く折れる様子がなかったので、やっぱりたぶん懲罰専用のアイテムなんじゃないだろうか。とにかくそれで不正解の生徒はお尻を叩かれた。
 細くしなる短い棒でしかないんのだけど、振ればビュッと音が鳴るし、見た目よりも遥かに強烈な痛みを与えてくる。僕たち合宿生には恐怖の象徴だった。
 立花さんはほぼ正解していたが、100パーセントというわけにはいかなかった。というより、そんな生徒はひとりたりとも存在しなかった。
 講師の質問に答えられなかった立花さんは、引きつった顔をしながらも、指示された通り教室の前へ行き、ホワイトボードに手を着いてお尻を後ろに突き出した。僕たち生徒の座っている方向へ、ということになる。まあ女子が罰を受けるのはその時点で何度も見ていたけれど、ハッキリ言って可愛い女子は居なかった。参加者30人全員の中でも、美少女と言えるのは立花さんくらいのものだった。
 これは男子みんなの共通認識だったと思う。だから立花さんが初めて不正解になった時、男子はちょっとエッチな気分になっていたのではないだろうか。少なくとも僕はそうだ。
 講師は若い男だったけれど、表面上は美少女の立花さんを全く意識していないように振る舞い、無造作に鞭を振った。
 スカートに包まれたお尻が打ち据えられると、散々聞き慣れた鋭い音が鳴った。立花さんは、他の生徒と同じく無言で耐えた。
 最初の授業で立花さんがお尻を叩かれたのはその1回だけだった。
 僕は2回。これでもかなり優秀な方だ。
 しかし最初の授業がまだまだ甘いものだったことを僕は思い知ることになる。
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