枕営業を頑張っている新人アイドル

 いくつも応募してやっと小さな事務所に滑り込んだ私を待っていたのは、過酷な下積みだった。美少女に生まれて周りからずっとチヤホヤされてきた私には非常に辛い日々だった。私は確かに可愛い。普通に生活している分には、それだけで突出した存在になれる。しかしアイドルの卵なら、可愛いのは当たり前のことなのだ。私は、掃いて捨てるほど居るその他大勢でしかなく、実際そのように扱われる。屈辱的なことだった。
 辛いのはそれだけではない。枕営業の強制。セクハラの最上位みたいなものだが、この業界では当然のようにまかり通っている。それで確実に仕事が貰えるのならまだ納得も行く。けれど、現実はそうじゃない。身体を売って、ようやくスタートラインに立てる。それだけ。競争はそこから。スケベ親父たちに散々身体を嬲られても、結局は芽が出ずに辞めていくアイドルたちは、いくらでも居る。と言うか、基本的にはそうなる。競争率を考えれば自然なことなんだけれど、まったく納得し難いことだ。しかし、文句を言っても「じゃあ辞めれば?」という話にしかならないので、耐えるしかない。
 一対一でラブホテルに行くのはまだマシなお仕事だと言える。グラビア撮影の後、スタッフ全員にフェラチオをさせられたことがある。本番セックスはなかったのだけど、下っ端のスタッフまで含めて次から次へとペニスを突き出され、それを笑顔で咥えていかなくてはならない屈辱は、後背位で尻を叩かれながら膣奥を突かれることよりも耐え難かった。さらに悲惨なのは、地方のテレビ局の忘年会に参加した時のことだった。普通にコンパニオンを雇えば良いものを、思い上がったプロデューサーは、その権限でアイドルの卵たちを呼び付けてきたのである。私たちは、最初に彼らの前でお披露目をする際、エロ下着を身に付けて並ばされた。エロ下着というのは、布地が少ないだけでなく、ブラの真ん中に穴が空いていて乳首が丸出しになっていたり、股間部分が透けて陰毛が見えていたり、とにかく卑猥だった。もちろん、ひとりひとりデザインが異なっている。色とりどりのエロ下着姿になった美少女たちが、横一列になって立たされ、見世物にされたのである。きっと私だけでなく、アイドル全員が屈辱を感じたことだろう。それでも私たちは、ゲスな品評会に笑顔で応えるのだった。その後はもちろんお酌をさせられた。お触りは一切のNGなし。お持ち帰りも拒否権なし。私は必死に媚びへつらいながら3Pまでこなした。
 これほど嫌な思いまでして、なぜ辞めてしまわないかと言うと、正直なところ、今さら引き返せないから、である。途中で辞めてしまったら、身体を差し出してきた意味が全くなくなってしまう。それに、事務所に入ってアイドル活動を始めたことは、周囲に知れ渡っているわけで、売れずに挫折したなんて、あまりにも格好悪すぎる。その時はきっとみんなこう思うだろう。それ見たことか。分不相応な夢を見た身の程知らず。口には出さないだろうが、心の中ではそう言うに決まっている。そんなのは我慢ならない。だから続ける。本当は、もう潮時なのだと分かっていても、引くことはできないのだ。
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